【レポート】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究本部(ISAS)がある相模原キャンパス(神奈川県相模原市)にて21日、施設の一般公開が行われた。ISASは長年、日本の宇宙科学研究をリードしてきた組織で、前身は宇宙科学研究所(こちらも略称はISAS)。この一般公開は旧ISAS時代から続く恒例イベントとなっており、今年も大勢の宇宙ファンや家族連れで賑わった。
ところで、こういった一般公開イベントにはグッズ販売が付きものだが、人気商品は売り切れになってしまう場合も多いので、会場に着いたら、まずは販売ブースをチェックするのがオススメだ。ちなみに筆者は今回、小惑星探査機「はやぶさ」のTシャツを購入したのだが、早々にLサイズはなくなっていた。
さて、その「はやぶさ」(2010年に帰還予定)であるが、後継機の姿が徐々に明らかになっている。「はやぶさ2」と「はやぶさMk-II」については昨年のイベントでも名前が出ていたが、今年はより詳細な情報が出てきていた(名前がややこしいので整理しておくと、初代と同型機が「はやぶさ2」で、より大型化したものが「はやぶさMk-II」である)。
まずは「はやぶさ2」。小惑星イトカワへのタッチダウンなど、多くの偉業を成し遂げた初代に続く探査機で、イトカワがS型と呼ばれるタイプの小惑星だったのに対し、これとは異なるC型小惑星からのサンプルリターンを目指している。候補としては、すでに「1999 JU3」という天体があげられており、詳細な情報を得るための地上観測も行っているという。
同型機と言っても、ご存じのように初代「はやぶさ」は様々なハードウェアトラブルに見舞われており、もちろん全く同じにするつもりはない。特に、3つのうちの2つが故障したリアクションホイールについては懸念があるが、これは「はやぶさ」用に改造したことが原因である可能性が高いとのことで、そのまま使用することを考えているそうだ。そして、冗長性を持たせるために、1つ増やして計4基の搭載とする。
こういった改修により、探査機の重量は重くなってしまうが、今は打上げロケットにH-IIAが使えるので、重さの問題はクリアできる。と言うよりも、リアクションホイールの改造も必要最小限の3基しか積まなかったことも重量の制限が厳しかったためで(当時の打上げロケットはM-V)、打上げ能力に余裕ができたことで、ムリをしなくて済むようになったというのが実情だろう。
そして「はやぶさMk-II」は、イトカワよりも遠方の小惑星を狙うために、より大型化された探査機となる。初代のイオンエンジンは直径10cmだったのに対し、Mk-IIでは直径20cmの「μ20」を採用するほか、本格的なランダー(着陸機)も搭載する予定だ。初代はあくまで"技術実証機"という位置付けだったが、「本来作りたかったものはこの大きさ」と説明員も述べていた。
このMk-IIでは、P型・D型に分類される小惑星や枯渇彗星の探査を計画している。候補の1つとして小惑星Wilson-Harringtonがあるが、これは枯渇彗星と考えられており、内部には氷が残っている可能性もあるという。ちなみにサンプリングの方法は、初代機のような弾丸式をベースに、複数方式を搭載することが考えられているそうだ。
ところで、はやぶさ「2」にしても「Mk-II」にしても、まだ計画の立案段階で、正式なプロジェクトとしてスタートしたわけではない。当然、国から予算が認められなければ機体の開発もできないわけで、ISASとしては世論を盛り上げて、「はやぶさ後継機はやはり必要」と財務省(場合によってはJAXAも)を説得したいところ。予算不足はいつものことだが、スタッフからは「国民の皆さんからの応援の声があれば」と期待する声が多かった。早ければ、「2」は2010年、「Mk-II」は2018年にも打上げられる計画。
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