今更の感はなくはないが、Intelは通例通りCOMPUTEXで新チップセット、Intel 3 Seriesを正式発表した。発表を行ったのは、昨年同様Richard Malinowski氏(Photo01)である。
Photo01:X38とICH9を手にするRichard Malinowski氏(Vice President, Mobility Group, General Manager, Chipset Group) |
主要な話は、
- 本日P35とG33の2製品を発表。第3四半期中には、残る製品も発表する(Photo02)。
- 全てのチップセットが45nmの新しいCore 2に対応する(Photo03)。
の2点であるが、実際にはもう少し細かな話も出てきた。
Intel 3 Seriesの主な特徴をまとめたのがこちら(Photo04)である。殆どの話はすでにレポートしたものだが、いくつか目新しいものもある。まずICH9 Seriesで利用できるIntel Matrix Storage Tehcnologyは、Rapid Recover TechnologyとCommand Based Port Multiplierの2つの機能が追加された(Photo05)。
Photo04:後述の通り、DDR3のポジショニングがやや後退したことが正式にアナウンスされたのもちょっと意外である。 |
Photo05:Performanceは、Single Drive vs RAID-0の話で別に目新しくはない。ProtectionとExpandabilityが新機能。 |
前者はRAID-1の拡張版のようなものである。RAID-1は常時PrimaryとCloneの2つを接続しておくのが前提だが、Rapid Recover Technologyを使うと「Cloneを時々繋ぐと、その際にまとめて同期を取る」事が可能になる。つまりCloneを常時繋ぎっぱなしにしなくてもよくなるわけだ。一方Command Base Port Multiplierの方は、eSATAをサポートするという話である。そもそもSATAのPort MultiplierはCommand BaseとFIS (Frame Information Structure) Baseの2種類が存在する。端的に言えば、たとえばeSATA経由で4台のHDDが繋がっている時、前者では一度にアクセスできるのが1台、対して後者では4台同時にアクセスできる。ただ後者は当然複雑であり、ついでに言えばこれに対応したPort Multiplierは殆ど市場では見かけない。とりあえずはCommand Baseで、ということであろう。