昨年の中国で、海外VCファンドによる投資案件は268件、投資総額は18.6億ドルで、それぞれ全体の74.0%、85.2%を占めている(China Venture調べ)。一方、民族系VCファンドによる投資案件は64件、投資額は1.5億ドルで、それぞれ全体の17.7%、6.8%を占めた。また、外国資本と中国資本のJVファンドによる投資案件は11件、投資総額では1.2億ドルで、それぞれ全体の6.8%、3.0%を占めた。一案件あたりの平均投資額をみると、外国VCファンドは694万ドルだが、民族系VCファンドは231万ドルで、前者が後者の3倍強となっている。海外VCファンドが中国VC市場を事実上牛耳っているわけである。

投資金額と案件数を支えているのは、もちろん中国VC市場に投入できる資本総量だ。昨年、VCの資本投入総量は200.4億ドルに達し、2005年より16.5%増加。資本構成をみると、海外VCファンドが159.7億ドルで全体の80%を占め、民族系ファンドは34.7億ドルで全体の17.3%だった。その他、JVファンドなどが6.04億ドルであった。

新規ファンドにおいても、海外VCファンドが大きな存在感をみせている。昨年41本の新規ファンドが44.3億ドルを募ったが、うち、海外VCファンドによる新規ファンドは27本で33.9億ドル。新規ファンド件数の65.9%と資本金額の76.2%を占め、1ファンドあたりの平均資本金は1.3億ドルだった。民族系VCファンドによる新規ファンドは11本で、9.6億ドル、新規ファンド件数の26.8%で、資本金額の21.6%を占め、1ファンドあたりの平均資本金は0.87億ドルだった。JVなどによる新規ファンドは3本で、0.95億ドル、新規ファンド件数の7.3%、資本金額の2.1%を占め、1ファンドあたりの平均資本金は0.32億ドルであった。海外VCファンドによる新規ファンドの平均規模は、民族系VCファンドの実に4倍近くにも上る。