18日(水)~20日(金)の3日間、幕張メッセ(千葉県千葉市)において、設計開発者、生産技術者、関連専門家に向けの専門技術展とシンポジウム「TECHNO-FRONTIER 2007」が開催された。主催は日本能率協会。781の企業や団体が出展した大規模なイベントとなった。

このTECHNO-FRONTIERは、同時開催の「第25回 モータ技術展」「第16回 モーション・エンジニアリング展」「第16回 ボード・コンピュータ展」「第22回 電源システム展」「第20回 EMC・ノイズ対策技術展」「第9回 熱対策技術展」「第7回 自動車要素技術展」「R&D 生産・設計支援システム展」「メカトロニクス・トータルソリューション」「洗浄技術展」の総称である。同展では特別企画として「無線通信要素技術」「コネクタ・ケーブル技術」「小型燃料電池技術展」「リニアモーションと応用技術」「静音・制振設計技術展」「産学交流技術移転フォーラム」も開催された。

会場内のようす - 小さなブースもたくさん立ち並んだ

「テクノヒル名古屋」へ企業誘致 - 名古屋市役所

名古屋市役所ブースでは、なごやサイエンスパーク内にある企業団地「テクノヒル名古屋」への企業誘致のためのPRを行っていた。なごやサイエンスパークは名古屋の中心部から10Kmほど離れた志段味地区にある工業団地で、テクノヒル名古屋は特に民間企業の研究所施設を中心に集められた地区の名称である。

まったりした名古屋市役所ブース - 「テクノヒル名古屋」では補助制度や、要件を満たした場合の不動産取得税の減額が適用されるなど、インセンティブが設けられている

バイメタルの動作実験 - ウチヤ・サーモスタット

サーモスタット専門メーカであるウチヤ・サーモスタットでは、バイメタル(Bi-metallic strip)の動作実演のデモンストレーションを行った。

バイメタルとは、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたもので、温度変化を利用して曲がる方向を変えられる金属である。この性質を利用して、温度計やスイッチなどに利用されている。

デモンストレーションではドーム内にヒータを設け、その上にバイメタルを敷き詰めた。ヒータが加熱/冷却されるとバイメタルが急速に曲がったり、元の状態に戻ったりして、ドーム内を弾け飛ぶようすを見ることができた。

バイメタルのデモンストレーション

3次元リアルタイムトラッカーシステム - ディテクト

画像処理やデジタルハイスピードビデオカメラの開発を行っているディテクトは、3次元リアルタイムトラッカーシステム「PRO-Tracker II」を展示した。これは、1台のコントローラと6台のイメージセンサで構成されているモーショントラッキングシステムである。複数台のシステムを繋げれば、最高30台までのイメージセンサからのデータ収集が可能であるという。

コントローラからレンズ歪み補正とカメラの位置補正を行うことができる。測定後には、アニメーション表示が可能。またオプションにより、3DCGによる動画再生も可能になるという。

メカメカしくもかわいいモデル人形を使ったデモンストレーション - イメージセンサで各関節に取り付けられた反射マーカを20ポイントまで追跡する

ZigBee用トランシーバIC - コーンズドットウェル

コーンズドットウェルのブースでは、米Emberが開発したZegBee(IEEE 802.15.4規格の短距離無線通信規格)用トランシーバIC「EM250」と「EM260」および開発キットを展示した。

EM250とEM260は16ビットRISCマイコンで、フラッシュメモリ、SRAM、RF回路、電圧レギュレータなどが搭載されいる。EM260には外部と接続可能なインタフェースが用意されている。また開発キット「InSight Desktop」も展示されており、実際に動作するようすを見ることができた。

EM250と開発キットInSight Desktopのデモンストレーション

RAMエラー発見診断ボード - ウルトラエックス

PC/AT互換機診断ツールの開発を行っているウルトラエックスは、PCIバス用RAM診断ボード「R.S.T.Pro2」(RAM Stress Test Professional2)とPCI Expressバス用「R.S.T.Pro PCI Express」を展示した。同社のRAM診断ボードR.S.T.Proシリーズは、マザーボードが対応していればPC/AT互換機に搭載したSIMMやDIMM/RIMMなどのメモリのテストも行えるという。ブース内では、メモリのエラーテストも披露された。

PCIバス用RAM診断ボード「R.S.T.Pro2」

PCI Expressバス用「R.S.T.Pro PCI Express」

デジタルPOLコンバータの実演 - ベルニクス

電源メーカのベルニクスは、デジタルPOL(Point of Load)コンバータBDAシリーズのデモンストレーションを行った。PMBus(Power Management Bus)を搭載しており、パソコンから自由に電圧の立ち上がりや立ち下りのシーケンスの設定をリアルタイムに変えることができる。

また、同社のBDAシリーズの新製品である「BDA-2.5S15R0」も展示した。外形寸法は27.0×23.0×4.2mm。入力電圧は4.5~5.5V、出力電圧は0.8V~2.5V、出力電流は15Aである。

BDAシリーズの展示 - 立ち上がり時間と入力電圧を変更させている