「ちょっとeグッズ」は毎日のくらしをちょっとイイ感じにしてくれる、ガジェットのよもやま話を語る連載です。

5月に出たばかりなのに、先日のAmazonプライムデーでもうセールになっていたスマートスピーカー「Echo Pop」を買ってしまいました。元々5,980円のデバイスが、セール中はなんと半額以下の2,480円。安すぎます。

  • Echo Pop(ラベンダー)

Alexaがいないと生活が始まらないレベルで毎日「アレクサ〜!」と呼びかけている筆者。自宅のダイニングには長らく「Echo(第2世代)」が鎮座しており、Philips Hueやエアコンなど無線LANでつながっている機器を操作するときや、Amazonからのさまざまな通知を受け取るために活躍してもらっていました。

別室に置いている比較的新しい世代のEchoデバイスと比べれば、若干呼びかけへの反応が遅くなったように感じるものの、2017年の購入以来これといって目立った不具合もなく、十分使えています。

  • 手前がEcho Pop、奥はEcho(第2世代)

ただ、さすがに5年半も使い続けてきたのだし、そろそろ引退してもらってもいいかな……と思っていたのと、狭いダイニングテーブルの上では存在感が大きすぎた(場所を取るのでジャマ)ということもあり、ちょうど買いやすくなっていたEcho Popへの買い換えを決断しました。

  • Echo Popを手に取ると、小さめの茶碗くらいのサイズ感で手に取りやすい

  • 5年半近く、自宅で大活躍してくれたEcho(第2世代)。350ml缶よりもふた回りほど太く、重い

Echo Popは球体を斜めにカットしたような半球型デザインがユニークですし、カラーリングも4色展開で可愛いです。今回はAmazonデバイスの中では割と珍しい、ラベンダーを選んでみました。いい意味でガジェットっぽさがなくて、どんな部屋にもマッチしそうです。

  • Echo Popの背面。本体正面に各種操作ボタンがあり、目をつぶっても凹凸でどのボタンか分かる

Echoシリーズの中でもっとも手ごろな製品ですが、決して“廉価版Echo”ではありません。上位機でも使われているAZ2チップを積んでいて、呼びかけへの応答の速さも十分。前面のメッシュの奥にはスピーカーがあり、音楽やポッドキャストなどを楽しめます。

ちなみに、Echo Popのスピーカーユニット口径は49.5mm径。Echo(第2世代)のユニット構成は63.5mm径ウーファー+16mmツイーターで、スマートスピーカーとしては今でも十分通用する音響性能を備えていますが、Echo Popも単発ながらがんばっています。

試しに、自宅のEchoシリーズとリンクさせているApple Musicからいくつか音楽を流してみましたが、Echo Popのサウンドはスッキリとしていて、情報量も必要十分。ボーカルや演奏の機微を楽しみたいときも、そつなく鳴らしてくれる印象です。

  • Echo Popは、ボーカルが映える楽曲にマッチする

ダイニングへの音の広がり感や、中低域の響きの豊かさについては、ユニット構成が豪華なEcho(第2世代)のほうに軍配が上がりますが、音圧や迫力が大きいぶん、ボーカルや高域成分がうっすら曇って聞こえがち。個人的にはEcho Popのクリアな音が気に入りました。

ごはんを食べたり家事をしたりと、テーブル上においてながら聞きで流す分には、音量30(アプリから設定時。音声操作では3)くらいで十分でしょう。曲によってはこれより音量を上げると歪むことがあるので、そこだけ気をつけた方が良いかもしれません。好みに応じて、アプリからEcho Popのオーディオ設定(低域・中域・高域のバランス)を細かく調整することもできます。

  • Echo Popの音量設定

あとは、好みに応じてAlexaの音声を女声(標準)から男声(新着)に切り替え、会話継続モードをオン(ウェイクワードを省略してAlexaと話せる)にすれば、筆者のアシスタントとしての設定は完ぺき。

音楽を流し続けているとたまに途切れるのが気になりますが、これは前世代でも起きていましたし、筆者宅の近くに大通りがあるという外的環境ゆえに、無線LANの接続が不定期で切れている可能性があるかもしれません。こればかりはしょうがない。

  • Alexaアプリから2つの項目をカスタマイズ

  • Alexaの女声が「標準」、男声が「新着」という表記、確かに実装された時系列としてはそうなんだけど、そろそろ男声/女声と明示していいような気もするのは筆者だけだろうか

なお、Echo Popでできることは、新しい世代になったからといって現状それほどに変化はありません。スマートホーム製品などと連携して音声で電源オン/オフしたり、ニュースを読み上げてもらったりと、前世代でできていたことは引き続き行えます。

Amazon Music周りでは、Amazon Music HDの再生には対応するものの、Ultra HD音源や空間オーディオ音源の再生ができないことも従来機種と同じ。この辺にこだわりがあるなら、最上位の「Echo Studio」(29,980円)を選択肢に入れた方が良いでしょう。

スマートホームデバイスの標準規格「Matter」に発売時から対応している点は、Echo Popの新しい特徴ではあるのですが、国内ではまだ対応製品は現状少ないので、実力を発揮できる状況にありません。このあたりは、対応製品が充実してきたらまた検証してみたいと思います。

写真で見るEcho Pop

  • Echo Popの製品内容。電源アダプター(左)と本体(右)のみのシンプル構成だ

  • Echo Popを裏返したところ。専用の電源端子とゴム足が見えている。Echo Popの接地面積の小ささがよく分かるのではないだろうか

  • Echo(第2世代)のパッケージを引っ張り出して、Echo Popのパッケージと並べてみた。当然ながらサイズ感はずいぶん違う

  • Echo(第2世代)のパッケージでは、対応するAlexaスキルの充実ぶりをアピールしていた。Echo Popではそういった記載はなく、「Alexaが暮らしのお手伝い」とあっさりめな表現に留まる。それだけスマートスピーカーが人々の日常に浸透し、「それってAlexaなら当たり前にできることだよね」と認知されてきたことの裏返しかもしれない