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【答え】スズキ「カプチーノ」
スズキが作った軽の本格オープンカーは「カプチーノ」という名前でした。1989年の「東京モーターショー」に参考出品したところ、想像以上の反響を呼んだことから市販化が決定しました。発売は1991年11月です。
スズキは“自然の風を肌で感じながら、思いのままに操縦する楽しさを追求する”というコンセプトのもとにカプチーノを開発しました。キャッチフレーズは“オープンマインド2シーター”でした。乗ることで心を開放してくれるようなオープンカーを目指したのです。軽自動車だからこその機動性、経済性を持ちながら、これまでの軽自動車では味わえない価値も併せ持ったクルマでした。
デザインはまさにスポーツカーの典型。ロングノーズ、ショートデッキで軽快なイメージを作り出しています。また、丸みを帯びたボディラインで空気抵抗も低く抑えていました。
カプチーノを語るうえで忘れてはいけないのが、特徴的な屋根の構造です。ほとんどのオープンカーは屋根を開くか閉じるかのどちらかですが、カプチーノは全部閉じた状態の「ハードトップ」、運転席と助手席の上の部分のみ外した「Tバールーフ」、Tバールーフの真ん中を前後に走る部分を取り外した「タルガトップ」、そしてリヤピラー、リヤウインドウも収納した「フルオープン」の4通りが楽しめたのです。このルーフ構造は3分割式の軽量なアルミ製で、女性でも手軽に脱着できるように考えられていました。
「アルトワークス」という軽ホットハッチのエンジンをフロントに搭載し、リアを駆動するFRを採用。657㏄水冷3気筒ツインカムターボ・インタークーラー式で最高出力64ps/6,5 00rpm、最大トルク8.7㎏-m(約85.3Nm)/4,000rpmを発揮しました。前後のサスペンションはダブルウイッシュボーン方式を採用。ブレーキはフロントにベンチレーティッド式、リアにディスクブレーキを採用し、前後の重量配分は51:49という本格的なスポーツカーのような仕上がりでした。
125万8,000円からという価格は、当時のアルトワークスの99万8,000円と比較すると高く感じるかもしれませんが、そのぶん、走りに関するこだわりの装備やルーフのバリエーションがおごられていますので、十分許容できる設定だったといえるでしょう。
生産は1998年まで続き、トータルで2万6,000台以上がラインオフされたとのことです。
当時の乗用軽自動車で唯一のFRレイアウトを持つスポーツカー、カプチーノ。こんなクルマに乗りたいという若いスタッフの夢から企画が始まったそうです。いま再びカプチーノが市場に登場したらどうでしょう。たとえそのままではなくても、いまの若いスタッフが「こんなクルマに乗りたい」という夢を実現させたならば、また、わくわくさせてくれるクルマになることでしょう。
それでは、次回をお楽しみに!