先日、アップルはiPhone・iPad。iPod用の新しいOS、「iOS 9」を今年の秋に提供開始することを発表しました。新しいOSに入れ替えることで、今お使いのiPhoneに新しい機能が追加されます(機種によっては一部使えない機能もあります)。今回は利用者にとって主にどんなところが変わるのか、簡単にご紹介します。

iPhoneとの付き合い方が変わる? 「Siri」と「Spotlight」の進化

音声操作アシスタントのSiriは検索やアプリの起動といった操作を音声で指示できる機能ですが、それが指示される前に行動してくれるように進化します。ユーザーの利用パターを学習し、時間・場所・使用状況から今使うアプリをロック画面から起動できたり、いつもジョギング中に音楽を聞いているならその時間帯・場所でイヤホンジャックをつなぐと音楽の再生画面が表示されるなど、行動予測に基づいてユーザーをサポートします。

今見ているWebページを後で読みたい時には「これを後でリマインドして」

また、ホーム画面からアプリやWebページなどを検索できるSpotlight機能では、プロスポーツのチーム名を検索すれば最近の試合結果が表示され、YouTube等の動画なら検索結果画面上で再生できるなど、リンク表示だけでなくその場で中身を知るところまで完結できるようになります。また、「ポテト」と検索すればレシピアプリの中からポテトのレシピを見つけたり、「マウイ」と検索すれば宿泊予約アプリの施設紹介が出てくるなど、アプリの中にあるコンテンツも検索して直接開くことができるようになります。

アプリの中身もホーム画面から検索し、直接開くことが可能に

ビルトインアプリの改善、新顔も登場

iPhoneに最初から入っているアップル製のアプリ(ビルトインアプリ)といえば、かつてはその機能不足から代替アプリ探しに躍起になったものですが、着々と進化を続けたことで最近はその必要もなくなってきました。今回は「メモ」アプリにペンや消しゴムで手描きできる機能が追加されたり、「マップ」アプリで電車・バスを使った乗り換え案内機能が追加されます。ただし、乗り換え案内機能が日本国内の都市に対応するかどうかはまだ不明です。

「メモ」ではチェックリスト作成やWebページのリンク貼り付けも

乗り換え案内は、先行がしのぎを削る日本では難しいかも

新しく登場する「News」アプリでは、様々な新聞・雑誌から配信される記事と動画などのデジタルメディアを統合して、美しいレイアウトで見ることができます。配信される記事の内容はユーザーの興味や傾向を反映したカスタマイズが可能です。

美しいレイアウトやインタラクティブ性、動画再生など、Webページとは一味違う造りに

iPadが待望の2画面表示に対応

iPadは便利ですが、写真を編集しながらレポートを書いたり、PDFの資料を見ながら表やグラフを作るなど、2つのアプリを並べて作業できないところがビジネス用途に活用しにくい理由のひとつでした。それが今回ついに、画面分割表示に対応すると発表されました。また、キーボードにはコピー・ペーストなどのショートカットキーを追加、キーのエリアをトラックパッドのように使ってカーソル移動できるモードを搭載するなど、入力のしやすさも改善されます。

別のアプリ画面を重ねて表示する「Slide Over」。重ねている部分はiPhoneと同じ幅

画面を二分割してどちらも使える「Split View」。使えるのはiPad Air 2のみ

動画やFaceTimeの小窓を置いたまま別のアプリを使える「Picture in Picture」

iPadの活用範囲を広げたいと考えていた方に、画面分割は歓迎すべき新機能。ただし、「Slide Over」「Picture in Picture」はiPad Air/Air 2、iPad mini 2/mini 3に対応。「Split View」はiPad Air 2のみの対応となっています。それ以前のモデルは、iOS 9へのアップデートは可能ですが、残念ながら画面分割機能は非対応となります。

その他の改善点

他にも細々とした改善が施されます。バッテリー利用の最適化により標準的な利用において駆動時間が1時間延長され、さらに3時間延長できる低電力モードにも対応。また、iOS 8ではアップデート作業に5GB以上の容量が必要でしたが(OSそのものの容量はiPhoneで1.1GB、iPadで1.3GB)、より少ない容量でアップデートできるよう仕組みを改善。iOS 9では約1.3GBの空き容量でアップデートが可能になります。空き時間にアップデートしてくれる「Install Later」機能も搭載されます。パスコードの強化と2段階認証の組み込みにより、セキュリティもより強化されます。