今年4月、デビュー以来所属していたアミューズから独立したばかりだが、その立場から阿部さんの姿はどう映ったのか。
「やっぱり、一緒に働いてくれるチームのみんなに対して、仕事以外でのコミュニケーションの取り方は大事にしていかなきゃいけないんだなと思いました。でも、それぞれの人生があるから、お互い依存しすぎないようにしないといけない。だから私は、1人の負担を減らすために、役割分担を細かく分けているんです。その分、お金はかかりますが、自分たちがしっかりとできる範囲で仕事ができるようにしています」
また、なかなか本心を打ち明けてくれないサワさんに対して、とにかく待つ姿勢が参考になったといい、「私は性格的に、しつこく話を聞こうとすることができないので、心を広げてゆっくり待つというやり方も勉強になりました」と受け止めた。
独立して強くなった事務所への感謝の気持ち
独立したことによって、「今までどれだけ自分が良い環境にいたのかということに、気付けるようになりました」と変化も。
「今までは、与えられたものをただこなしていただけですが、独立してからは“こうしてほしい”と指示を出したり、“ここはどうなってるの?”といろんな確認をしたりしなきゃいけないから、もうアンテナの数がすごいことになってます。ものすごく高い料金払って、高速Wi-Fiを契約してるみたいな(笑)。もちろん、これまでも事務所に感謝の気持ちはありましたが、独立してからその思いがさらに強くなりました」
今後の展望は、「やっぱり好きなことをやっていきたいですし、とにかくみんなで笑っていたい。それだけですね。大変なことがあっても“マジウケる精神”で笑い飛ばそうと思っています(笑)」と、前を見据える仲。
自身にとって、阿部さんのように面倒を見てくれる存在は、今でも連絡を取るアミューズ時代のチーフマネージャーだといい、「独立したら自分のワールドがもっと濃くなりそうで。もちろんそのために独立したのですが、今までお世話になった人の話を聞いて、“これはやったほうがいいよ”と言われることも大事だなと思います」と、謙虚な姿勢も忘れていない。
●仲里依紗
1989年生まれ、長崎県出身。06年に劇場版アニメ『時をかける少女』でヒロインの声を務めて注目を浴び、10年に映画『時をかける少女』『ゼブラーマン~ゼブラシティの逆襲~』で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の映画賞を受賞。『ヤンキー君とメガネちゃん』『ホリデイラブ』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『不適切にもほどがある!』『おむすび』などのドラマに出演する。20年に開設したYouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』は、登録者数約211万人を超える人気チャンネルに。25年4月に所属事務所から独立し、フリーとして活動している。