• 酒井美紀

2008年に結婚し、2010年に長男を出産したことも、自身にとって大きな変化をもたらしたと言い、「だんだん図太くなりました。妊娠・出産という人生における大イベントを乗り越えたというのが大きかったと思います」と笑顔を見せる。

また、子育て初期の頃は「一喜一憂するというか、一日一日で悩んでいで、『今日これ食べてくれなかった』とか、そういう風に考えていました」と明かし、知り合いの料理研究家の話を聞いて、その考え方がガラッと変わったという。

「彼女は、赤ちゃんの栄養を1日で見るのではなく、1カ月で見ればいいと。例えば、今日食べてほしかったものを食べてくれなくても、1カ月のトータルでバランスが取れていたらいいとアドバイスをくれて、以前のような悩み方をしなくなりました」

  • 酒井美紀
  • 酒井美紀

子育てを通じて得た「すぐに結果を求めず、中長期的に見る」という考え方は、その後の人生や演技の仕事にも生かされているという。

「何かできないことがあっても、今すぐできなくてもいい。本番まで時間があるから、それまでにどういう風にクリアしていこうかと、もう少し長い目で見ることができるようになりました」

『ハリー・ポッターと呪いの子』も、まさにその考え方で向き合ってきたそうで、「中長期の目線があることによって焦りやストレスが抑えられ、心に余裕を持つことができるので、すごく大事なことを教えてもらったなと思います」と話していた。

  • 写真提供:TBS/ホリプロ 撮影:渡部孝弘

■酒井美紀
1978年2月21日生まれ、静岡県出身。1993年に歌手デビュー。1995年公開の映画『Love Letter』で女優デビューし、日本アカデミー賞新人賞を受賞。1996年にフジテレビ系ドラマ『白線流し』で主演を務め、注目を集める。以降、数々のドラマや映画、舞台に出演。また、レギュラーラジオやナレーション、コラム連載、不二家の社外取締役など幅広い分野で活躍している。
■『ハリー・ポッターと呪いの子』
『ハリー・ポッター』シリーズの作者であるJ.K.ローリングが、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンと共に舞台のために書き下ろした『ハリー・ポッター』シリーズ8作目の物語。小説の最終巻から19年後、父親になった37歳のハリー・ポッターとその息子・アルバスの関係を軸に描かれる新たな冒険物語は、世界中で多くの演劇賞を獲得している。2022年7月8日に開幕し、今年ロングラン公演4年目に突入する。