2022年に吉本新喜劇のゼネラルマネージャーに就任したお笑い芸人の間寛平。5月30日には大阪で舞台『盲目のお蕎麦剣士が巻き起こす新喜劇』、そして6月26日・27日には東京・新宿で「吉本新喜劇inルミネtheよしもと」公演が控えるなど精力的に活動を続けている。「これまで怒られてばかりの人生で、人を叱ったことがなかった」という寛平が、GM就任してからの3年間を振り返った。

  • 間寛平

    間寛平

寛平は「とにかく面白いことをしようと頑張っている人間はどんどん吸いあげる」という思いで、若手を起用。そんな状況に中堅からベテランまで刺激を受けた。

「来てくれたお客さんが楽しんでもらうことが一番」という寛平のポリシーのもと、自らが背中を見せるように「むちゃくちゃやりました」と笑う。すると「わぁ、こんなことすんねや」「こんなことまでやってもええんか」と若い世代の座員がリミッターを外した。「勢いが出てきましたね。何をやっても良いんです。ただ『お客さんを喜ばせろよ』ということは言いました」。

元々、関西では高い人気を誇っていた吉本新喜劇。一方で「東京をはじめとして “吉本新喜劇”という名前は聞いたことがあっても、まだまだ観たことがある人は少ない。僕の望みは全国の人に知ってもらうこと。そのためには、まずは東京」と6月26・27日に新宿で行われる「吉本新喜劇inルミネtheよしもと」には強い思いがある。

「以前、ルミネtheよしもとができた頃は、新喜劇も上演していたんです。でもいつの間にかやらなくなってしまった……。それが悔しくて。だからもう一度ここでやって、しっかりと新喜劇を見せていこうって。チケットも好評みたいで手応えは感じています」。

  • 間寛平

実力がある人間はキャリア関係なく登用していく。人材を循環させていいものを作るという寛平GM。吉本新喜劇座員オーディションを5年ぶりに開催し、活きのいい新メンバーが17人も加わった。

現メンバーに対しても大きな刺激となる若手座員だが、令和の今だからこその難しさもあるという。寛平は「僕らの時代は、とにかく怒られて育った。今でこそ結構座員に叱咤していますが、僕なんか、オギャーって生まれたときからおかんや親父に怒られて、この年になっても(明石家)さんまなんかにもいつも怒られて。でも今は怒らないといけない立場」と自身の変化を述べるが「でも今は怒って教えるって時代じゃないでしょ」と苦笑い。

また、「昔はすぐ『この、アホウ』とか『お前、顔おもろいな』とか普通に言っていたけれど、全部ダメ。すぐ『パワハラや!』って言われる時代でしょ。会社からも『絶対にやめてください』って釘を刺されているんです」と語り、「でも優しく言っても分からんこともあるし、容姿をイジって笑いにすることもある。それでも今はとにかく褒めながら、傷つけないように芸を教えていかなければいけない。なんとかやっていますが、ほんまそこは悩みどころです」と胸の内を明かす。