日本テレビの平成の名番組が続々と登場する「大進化!レジェンド番組祭り」。この先陣を切るのが、きょう24日(19:00~)に放送される『マジカル頭脳パワー!!2025』だ。
1990年から9年にわたり放送され、全局のクイズ・ゲーム番組で歴代9位となる番組最高視聴率31.6%(世帯、ビデオリサーチ調べ・関東地区 ※77年9月26日以降)を記録し、大ブームを巻き起こした同番組。23年ぶりの復活を遂げた今回の番組を一足先に視聴すると、当時と変わらぬテイスト・スタイルでありながら、全く古臭さを感じないことに驚かされた。
「映像シャウト」をめぐるスタッフと解答者の駆け引き
番組がスタートし、早速映し出されるMC卓。ここに配置されたデジタル数字フォントの「MAGICAL SPECIAL 2025」を見るだけで、あの頃にタイムスリップしたかのような気分になる。
しかし、当時に続きMCを務める永井美奈子や、レギュラー解答者だった所ジョージ、加藤紀子、間寛平らが「久しぶりですね」といった言葉も交わさず、ノスタルジーに浸るやり取りが一切ないまま、新MC・山里亮太の「ますは、マジカルシャウトー!! それでは参りましょう!」とクイズがスタートした。
その瞬間、当時もオープニングから間髪入れずクイズに突入する構成だったことを思い出すのと同時に、今回の番組がただ復活することを楽しむのではなく、“今”の番組として戦う覚悟を示したのだと受け止めた。
懐かしさは、クイズのスタイルや出演者のやり取りのほか、問題ごとのBGM、そのまま放送に流すのが憚られる解答に被せる“バキュン!”効果音、小学生にも分かるテロップのふりがな、出演者発言の手書き風テロップなど、番組が進行するのを見ているだけで十分味わえる。
早押しボタンを使わず解答の声を検知する「マジカルシャウト」では、ひっかけ問題の「映像シャウト」が登場。“意地悪さ”あふれる映像を出題するスタッフと、素直に受け止めるべきかどうか…と悩む解答者たちの駆け引きが繰り広げられ、加藤は「これが『マジカル』です!」と胸を張る。
そして、どんなにシュールな映像でも「よくありますよね!」と、スタッフ側に立って何の悪意もないことを平然とアピールする永井のポジショニングも変わらない。
“知り尽くした男”所ジョージの変わらぬ切れ味
『マジカル頭脳パワー!!』の名物といえば、MCの板東英二と、脅威の正解率を誇る所ジョージとのやり取りだ。所は、スタッフの出題意図を読み切って、問題VTRが出る前に正解を出してしまうというクイズ番組史に刻まれる伝説の解答をするなど、『マジカル』によって現在につながるインテリな一面も確立することになった。今回も永井が「さすが、『マジカル』を知り尽くしている!」と舌を巻くなど、変わらぬ切れ味を見せている。
そんな所に対して、MCらしからぬ敵意むき出しぶりだった板東。珍しく誤答するとうれしそうに喜ぶのが印象的だったが、その関係性があるからこそ、所が天才的な発想力で正解を出した際の称賛が、効果的に生きていた。
しかし今回は、所の15歳上だった板東に代わって22歳下の山里が登板。大先輩に対して全く同じ構図で対峙(たいじ)するのは至難の業であることが想像できるが、時折ボケて見せる所に、板東と違って下手に出ながら果敢にツッコミを入れていく。
ほかの解答者にも、ひっかけ問題にハマると「思うツボです~」と“意地悪さ”を出しつつ、天然解答を見せた大橋和也(なにわ男子)に「スーパーアイドルだよ?」と持ち上げながらチクリと刺すなど、独自のスタイルを確立。クイズの進行においては、長年『東大王』(TBS)でMCを務めてきただけに、安定感抜群だ。