昨年公開された新垣結衣とのW主演映画『違国日記』出演を、オーディションでつかんだ早瀬憩(17)。鮮烈な印象を残し、同作および『あのコはだぁれ?』により、2024年度のブルーリボン賞新人賞に輝いた。

この春には、多くの若者の上京にあわせて、JR東日本のCM「たみちゃんの上京」編が公開され、故郷を離れてひとり上京する少女を演じて評判を集めている。5月30日には、出演映画『か「」く「」し「」ご「」と「』の公開も控える。

順調にステップを駆け上がる現役高校生の早瀬にインタビュー。写真だと「大人っぽく見られる」という早瀬だが、部屋には「カートにぬいぐるみがいっぱい」という一面も。

  • 早瀬憩 撮影:望月ふみ

新垣結衣と『違国日記』でW主演

――まずは2月に出席した、第67回ブルーリボン賞受賞式の感想を教えてください。

普段はあまり緊張しないタイプなんですけど、さすがに緊張しました。みなさんとてもキラキラしていて、言葉に表せないほどの空気感で、今でもそのときの景色がパッと頭に浮かびます。この新人賞は、一度しかいただけないですし、本当に忘れられない嬉しい思い出です。

――前年度主演賞受賞により司会を務めた、神木隆之介さんと吉永小百合さんとのやりとりも話題になりました。『違国日記』でW主演だった新垣結衣さんが、2008年に新人賞、2018年に主演女優賞を受賞。早瀬さんは、「憧れの結衣さんの背中を追って、いつか自分も司会の席に立てるように頑張っていきたい」と宣言しました。

はい。実現できるように頑張ります!

芸能界に興味を持つきっかけとなった欅坂46

――そもそも、どういったところから芸能界への興味を持ったのですか?

きっかけは欅坂46(現・櫻坂46)さんです。とても好きで小学校6年生くらいのときにライブに行きました。すごくまぶしくて、元気や勇気をもらって「私もこんな風に人に希望を与えられるような存在になりたい」と思ったのが最初です。そこから中学1年生のときにオーディションを受けて、いろいろなお仕事をさせていただくうちに、徐々に演技を楽しく感じるようになり、自分にはお芝居が一番向いていると思うようになりました。ただ、最初のうちは「わーい、楽しい!」みたいな感覚だったのが、どんどんと、「ちゃんといいものを作るために作品に向き合っていきたい」という心持ちが強くなっています。

――仕事への向き合い方に、大きな影響を与えられた作品や人はいますか?

たくさんいますし、一つひとつの作品で徐々に強くなっていったのですが、あえて挙げるなら『違国日記』です。初の主演を務めさせていただいて、映画の現場に長期で入る経験も初めてしました。それこそまた新しい世界に足を踏み入れた感じでした。本当に知らないことが多くて、お芝居に関してもたくさん壁にぶち当たって、改めて難しいなと感じましたし、撮影機材の名前も改めて知りしました。大変でしたが、やっぱり楽しくて、お芝居しているときの自分が一番イキイキしていると再確認しました。新垣結衣さんという憧れの方もできました。

新垣結衣の立ち振る舞いに感動「自分もそうなりたい」

――さきほどのブルーリボン賞受賞式しかり、新垣さんへの思いは、これまでにも何度か語られていますね。

新垣さんは、本当に穏やかで優しい方なのですが、その中にきちんと自分自身を持っているところが本当にかっこいいと思います。お芝居の面では、作品や役へとても強い愛情を持たれていて、瀬田(なつき)監督と何度も話し合いをしている姿を見ました。自分の役だけでなく、私の役のことや、ほかのキャスト、スタッフ全員に気を使われていて、その姿勢が本当にステキだなと。自分もそうなりたいと思っています。新垣さんや監督をはじめ、たくさんの方々に支えられて成長させていただきました。私にとってとても大きな節目になった作品ですし、チームのみなさんに感謝しています。

計1,000万再生超えで「目をこすっちゃいました」

――大きな反響があったと思います。反響といえば、最近ではJR東日本のCM「たみちゃんの上京」編が話題を集めました。YouTubeで30秒バージョンが660万再生、60秒バージョンが500万再生を超えています。

YouTubeにアップされてすぐに反響があって、すごい再生数で私も目をこすっちゃいました。Instagramをやっているのですが、そこでも「すごくいいCMだね」とコメントで褒めていただいています。私自身も1本の映画を観ているようだなと感じました。

――テレビで流れているものは。

ちょうど家族とテレビを見ていたときに流れました!

――それは嬉しいですね。

母も一緒にいたのですが、「JR東日本のCM!」と教えたら、母も「本当だ」と。それまでスマホの画面でしか見ていなかったので、テレビの大きな画面で見ると、映像のキレイさがまた新鮮でよかったです。

――ちなみに今回のCMへのご家族の感想は。

「映画みたいだね」とか「本当にいいCMだね」と。監督(泉田岳)は以前も一緒にお仕事をしたことのある方で、そうした方とまたご一緒できるというのは、この上なく嬉しいことです。そうした事情を母も知っているので、そのことも「良かったね」と言ってくれました。