活躍し続ける秘訣を尋ねると、「オファーがあっての私たちの仕事ですから、日々精進するしかないのではないでしょうか」と答えた。
続けて、「自分が新鮮に感じていないと周りの方に新鮮に感じていただけないので、いつも自分自身が新鮮な気持ちを持てるように意識しています」と明かし、「例えばシーズン1、シーズン2で同じ役を演じても、違う一面や違うシチュエーションがあるので、そこに新しさを見出したり、『ワタサバ2』に関しても、東堂百合子さんをどう演じたら新鮮に感じてもらえるのだろうかと考えたり、自分自身が常に新鮮でいたいと思っています」と語った。
そして、今後について「オファーがあればできる限り受けさせていただきたい」と述べ、「新しい役をいただけるのであれば、そこに新しい自分を投影できるように勉強もしていかないといけない」と、まだまだ自分を高めていくつもりだ。
また、「今は舞台がとても好きで、時間をかけてお稽古して積み重ね、お客様に見ていただいて、お客様の反応で日々芝居が変わっていくというのは、役者にとって非常に刺激的な仕事なんです。時間をかけてじっくり向き合うというのは映像ではほぼないことなので、すごく大切に感じていて、1年に1~2本は舞台に出演させていただきたいと考えています」と舞台への思いも明かした。
働く人たちへのメッセージもお願いすると、「ダメかもしれないと思ったときに、もうひと踏ん張りするという手はあるのではないかなと思います。もうひと踏ん張りだけしたら、違う面が見えてくるかもしれないですし、そういう風に仕事の楽しさを見つけていただけたら」とエールを送り、「私は好きな仕事をさせていただいていますが、もちろんやりたくない仕事も受けます。それはプロだから。若い頃から『好きなことだけやるんだったらアマチュアでどうぞ』と言われ続けていて、仕事としてお金を稼ぐという意味でも、自分の意図しない仕事も受けるようにしてきました」と語った。
ひと踏ん張りしてよかったと感じたエピソードを尋ねると、「どんなに体調が悪くても現場に行っていました。今の時代は絶対にダメなことですが(笑)。お断りできない仕事だと植え付けられて育っていますから。私が休んだら何百人という人に迷惑がかかる。そこで踏ん張ってよかったなと思うことは多々ありました」と答え、「今はそういう時代ではないかもしれませんが、それぐらいの覚悟を持って仕事と向き合っています」と力強く語る浅野。作品に対する真摯な姿勢やプロ魂に第一線で輝き続けている理由を感じた。
1960年7月9日生まれ、兵庫県神戸市出身。1974年5月25日に歌手としてデビューし、「恋はダン・ダン」で日本レコード大賞新人賞受賞。1988年の連続ドラマ『君の瞳をタイホする!』以降、数々のトレンディドラマでヒロインを演じ、多くの支持を集める。映画『藏』(95)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。近年は舞台にも精力的に出演している。