また、高知県観光政策課では「どっぷり高知旅」というキャンペーンを展開中。特に注目したい観光スポットは、香美市立やなせたかし記念館(アンパンマンミュージアム、詩とメルヘン絵本館、別館)だ。
「実は、子供だけではなく、大人が楽しめるミュージアムになっています。やなせさんの言葉の力がすごくて、人生経験を積んだ大人だからこそわかる言葉も多いです。自分自身の経験と重ね合わせて読むと、自分の思っていることを代弁してくれているようなものもあれば、『ああ、なるほど。そういう風に考えればいいのか』と気づかせてくれるものもあって、本当に心に刺さります」としみじみ語る西森氏。
なかでも企画展の別館にて展示されているという、やなせさんが妻の暢さんに宛てて書いた長文の手紙が必見だと言う。「原稿用紙に書かれた手紙ですが、暢さんへの愛を感じる内容で、すごくいいんです。出会った頃からの思い出をはじめ、いろいろなことが書かれていますが、やなせさんは文章もすごく上手なので、とても引き込まれます」。なお、チケットは予約制なので、訪れる際には早めにチェックしていただきたい。
そして高知県内は、鉄道も「アンパンマン」推しである。「アンパンマン」のラッピングを施したJP四国の「アンパンマン列車」が25周年を迎えることを記念し、初代デザインを復刻した列車が現在運行中とのこと。「アンパンマンシート」は子供たちにも大人気なので、ファミリー旅行客におすすめだ。また、往復特急列車普通車指定席にバス、3館共通の入館チケット、お買い物券、お食事チケットなどがセットになった「高知やなせたかし記念館プレミアム切符」も発売されている。
ほかにも高知県内には、高知駅のアンパンマン列車ひろばや、「アンパンマン」たちがデザインされた、とさでん交通路面電車、各駅にやなせさん作のキャラクターがいるというごめん・なはり線のくろしお鉄道など、様々なところでやなせさんが生み出したキャラクターたちに出会うことができる。
西森氏によると、「やなせさんは、頼まれたら断れないという性分の優しい方だったようで、たとえ予算が少なくても、高知県のためにいろいろなキャラクターを描いてくださったそうです。やなせさんの『人生は喜ばせごっこ』という言葉は、高知人の県民性に通じるところがあるのかもしれません。」と笑顔で語る。
ますます今後の展開が楽しみな朝ドラ『あんぱん』。今年のゴールデンウィークは飛び石連休なので、国内での小旅行を楽しむ人も多いとか。ぜひこの機会に高知県でやなせたかしワールドを体感していただきたい。