大正製薬は、新型コロナに関する情報を2025年1月23日に発表した。

■新型コロナ感染者数、再拡大の可能性

  • 医療機関あたりの平均感染者数

新型コロナが第5類に移行した後の新型コロナ感染者数の推移を確認すると、昨シーズンの冬は年末~2月にかけて増加していることがうかがえる。昨年と同様これから感染者数が再拡大の可能性があるため、感染症の予防や発症したときの対策を意識して、十分な備えが必要とのこと。

■風邪と新型コロナの違い

  • 風邪と新型コロナの違い

風邪と新型コロナの違いについて知っているだろうか? 実は、風邪と新型コロナの症状はほぼ同じで、医師でも初期の症状だけで風邪か新型コロナかを見分けるのは難しいという。

新型コロナの特徴的な症状としては味覚症状(味がわからなくなる)や嗅覚症状(匂いがわからなくなる)が挙げられる一方で、オミクロン株に置き換わってからは、これらの症状の発生率が低下しているのだそう。

味覚や嗅覚が正常であっても風邪だと判断するのは間違っている場合があるため、新型コロナ感染の疑いがあるときは、病院で診察・検査を受けるか、市販の検査キットなどを活用しよう。

■処方される薬の成分と市販の風邪薬の成分

  • 風邪・新型コロナでよく処方される薬の成分と市販の風邪薬の成分※調査使用データベース:JMDCデータマート、調査対象:2023年1月~12月  

処方される薬の成分と市販の風邪薬の成分を比較してみよう。

風邪のとき

  1. L-カルボシステイン:たんを出しやすくする
  2. アセトアミノフェン:熱と痛みをしずめる
  3. トラネキサム酸:炎症を抑える、のどの痛みをしずめる

新型コロナのとき

  1. アセトアミノフェン:熱と痛みをしずめる
  2. トラネキサム酸:炎症を抑える、のどの痛みをしずめる
  3. L-カルボシステイン:たんを出しやすくする

風邪・新型コロナと診断された際、処方される薬の成分と市販の風邪薬の成分をみると、上位3つの効果の種類には大きな違いがないことが判明。また、15歳以上で集計した場合は、新型コロナと風邪で処方される薬の上位5種類は同じ成分が占めていることが明らかに。

  • 新型コロナの検査キット

新型コロナの検査キット(抗原検査)は、ドラッグストア、インターネットなどで購入可能な製品があり、国が承認した抗原検査キットは、「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と表示されている。

一方、一部のネットショップで「コロナ 検査キット」などと検索すると、厚生労働省で承認されていない「研究用」の検査キットが多数表示されるため、購入の際には注意が必要とのこと。

抗原検査キットを使うタイミング

抗原検査キットを使うタイミングは、せきや熱、のどの痛みなどの症状が出た日(発症日)を1日目として、2日目以降に検査をするとよいとしている。発症後すぐに検査をすると偽陰性のリスクが高まるため、早めに検査をして陰性だった場合は翌日に再び検査するなど、複数回行うとよいそう。

■新型コロナかなと思ったら…

体調に異変を感じたらまずは抗原検査キットでセルフチェックし、陽性の場合は、一定期間外出を控えることが推奨されている。

基本的には新型コロナの陽性者であっても、症状が軽い人に関しては薬を飲まなくても治る人がほとんどだといい、症状によっては、せき止めや解熱剤などの対症療法の市販薬を使用することも1つの方法だという。

体調が悪化したときは、自治体が設置する新型コロナ相談窓口に相談、または医療機関を受診した方がよいとし、陰性の場合でも体調の異変が続いている間は、基本的な感染予防対策を継続した方がよいとのこと。

なお、65歳以上の人、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)がある人、透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている人など重症化リスクを有している人、子ども、妊娠中などの場合は、外来対応医療機関を受診することを推奨している。