Appleは5月16日、「iPhoneのタッチ決済」 を日本で提供開始した。中小規模の事業者から大型小売店まで、iPhoneと対応アプリのみでタッチ決済を提供できるようになり、ユーザーは非接触決済対応のクレジットカードやApple Payなどで商品やサービスの代金を支払える。
iPhoneに搭載しているNFC技術を活用した非接触決済機能で、お店がiPhoneを決済端末として用意し、会計時に来店者が非接触決済のカードなどをかざすだけで代金を支払えるというもの。ユーザーが支払いに使えるのは、非接触決済に対応するクレジットカードやデビットカード、iPhone、Apple Watch、その他のデジタルウォレット。
事業者は、iPhoneとパートナーの対応iOSアプリを用意するだけでiPhoneのタッチ決済を使い始められ、その他のハードウェアや決済端末は必要ないとする。アメリカンエキスプレス、JCB、Mastercard、Visaを含む大手決済ネットワークの非接触決済のクレジットカードとデビットカードに対応。電子マネーは現時点では非対応としている。
対応する事業者側のアプリとして、5月16日からGMOフィナンシャルゲートの「stera tap」 、リクルートの「Airペイタッチ」 、Squareの「Square POSレジ」 を挙げている。さらに今後数カ月で 「Adyen」 対応予定で、日本のApple Storeでも利用可能になるという。
iPhoneのタッチ決済では、決済情報はApple Payのプライバシーを保護するセキュリティ技術と同様の技術で守られ、すべての取引はSecure Elementを利用して暗号化して処理。Apple Payと同様、購入内容や購入者などの情報をAppleが把握することはないとしている。
Appleは2022年2月、販売者側がiPhoneのみで非接触決済対応のクレジットカード・デビットカードやApple Payによる支払いを受け取れる「Tap to Pay on iPhone」を発表し、同年後半から米国で導入していた。日本では「iPhoneのタッチ決済」 の名称で、同様の機能を提供する。