MM総研は11月21日、10月12に発売された「Pixel 8」シリーズを中心に各国のGoogle Storeにおける「Google Pixel」シリーズの販売価格を調べた「世界のPixel販売価格調査」の結果を公表した。

  • Google Pixel 8

    Google Pixel 8

この調査は、下記の20の国・地域におけるGoogle Storeでの直販価格をもとに、当該国・地域の通貨と円の為替レートを用いて円換算し、その金額を比較している。

  • 調査対象国・地域:日本、台湾、シンガポール、オーストラリア、米国、カナダ、英国、スイス、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ドイツ/オーストリア/フランス/スペイン/オランダ/イタリア/ベルギー/アイルランド(ドイツ~アイルランドの販売価格は共通)、プエルトリコ(Pixel 7aのみ)

Pixel 8シリーズの価格比較

まずは最新モデルである「Pixel 8」シリーズの販売価格から。

  • グラフ:世界の「Pixel 8」シリーズ販売価格(2023年10月時点)

    世界の「Pixel 8」シリーズ販売価格(2023年10月時点)

「Pixel 8」の112,900円という価格は調査対象国・地域の中でオーストラリアに次いで2番目に安く、日本以外の国・地域の平均より約9,624円安いという結果。最高値はスウェーデンの129,595円で、日本より16,695円高い。

「Pixel 8 Pro」の169,900円も、台湾、オーストラリアに次いで3番目に安く、日本以外の国・地域の平均を9,590円下回っている。最高値は英国の192,545円で、日本より22,645円高い。

全体としては、米国と東アジア・オセアニア地域で安く、欧州各国で高いという傾向だという。

Pixel Foldの価格比較

次は5月に発表された折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」の価格だ。製品発表時点の5月11日のレートでの価格と、それから約半年が経過した10月5日のレートでの価格を比較している。

  • グラフ:世界の「Pixel Fold」の販売価格

    世界の「Pixel Fold」の販売価格

「Pixel Fold」が販売されているのは対象国のうち日本/米国/英国/ドイツの4カ国のいで、この中では日本の253,000円は最安。日本以外の国・地域の平均は、5月時点では280,130円、10月時点では円安が進んだこともあって302,352円に上昇しており、10月時点では50,000円近い価格差が生じている。最高額は英国で、5月時点では296,411円、10月時点では318,000円となっている。

Pixel 7aの価格比較

「Pixel Fold」と同時に発表されたハイバリューモデル「Pixel 7a」についても、5月11日のレートと、それから約半年が経過した10月5日のレートで価格を比較している。

  • グラフ:世界の「Pixel 7a」の販売価格

    世界の「Pixel 7a」の販売価格

「Pixel 7a」は、対象国・地域で日本での販売価格62,700円が最安だった。日本を除く国・地域での平均は5月時点で13,265円、10月時点で78,528円で、それぞれ日本よりも約10,000円/約15,000円高くなっている。最高値はデンマークで、5月時点では78,412円、10月時点では83,313円だった。

「Pixel 8」の購入しやすさを示す「Pixel指数」

今回の調査は価格の調査だけでなく、各国・地域での「Pixel 8」の購入しやすさを比較するため、それぞれの国・地域における「Pixel 8」の販売価格が年間の平均賃金の何%にあたるかを「Pixel指数」として算出している。この「Pixel指数」が低いほど、「Pixel 8」を購入しやすいということになる。

  • グラフ:Pixel指数(平均賃金に占める「Pixel 8」の価格)

    Pixel指数(平均賃金に占める「Pixel 8」の価格)

先ほど見たとおり「Pixel 8」の価格の比較では日本は2番目の安値だったが、日本の現在の経済環境と為替レートでは平均賃金が国際比較で低くなっているため、この「Pixel指数」は大きいほうから3番目。

日本では「Pixel 8」を購入するための負担が大きいことがわかる。日本より指数が大きいのはポルトガル(4.2%)とスペイン(2.70%)の2カ国で、指数が小さいトップ3はスイス(0.77%)、シンガポール(0.98%)、米国(1.00%)となっている。最安値だったオーストラリアも1.29%で5位となっている。

日本における「Pixel」シリーズのシェアは12.4%で拡大中

同社による2023年度上期の国内スマートフォンの出荷台数調査で、Google(=「Pixel」シリーズ)のシェアは12.4%。前年同期比で10ポイント増、ソニー(「Xperia」シリーズ)を抜いて4位、Android陣営では3位になっている。「Pixel 7a」からドコモが取り扱いを開始したことがその要因のひとつとなっており、Google側もドコモが使用する周波数帯であるn79に対応するなど、日本市場に積極的な取り組む姿勢を見せていると分析している。

  • グラフ:2023 年度上期国内スマートフォン出荷台数シェア

    2023年度上期国内スマートフォン出荷台数シェア

同社では、Googleが「Pixel」シリーズに力を入れるのはAndroidのシェア拡大が狙いで、Appleの「iPhone」からの流入を図りたいところだが、現状ではAndroid陣営の他メーカーからシェアを奪う形になっており、iPhoneのシェアを減らすことにはつながっていないのが課題と分析している。

調査概要