Tileは10月13日、落とし物トラッカー「Tile」の新ラインナップ(2022年モデル)4種を発表、予約受付を開始した。発売日は2021年10月28日(順次店舗にて展開)。

希望小売価格は、「Tile Pro(2022)」が4,680円、「Tile Mate(2022)」が3,280円、「Tile Sticker(2022)」が3,780円、「Tile Slim(2022)」が4,680円。

  • 落とし物トラッカー「Tile」の新ラインナップ(2022年モデル)4種が、2021年10月28日より順次発売

    落とし物トラッカー「Tile」の新ラインナップ(2022年モデル)4種が、2021年10月28日より順次発売

デザインを一新、Proは形状も変更

Tileは、スマートフォンや財布、鍵など、貴重品を見つけ出せるようにBluetoothで位置情報を発信するスマートトラッカー。2022年モデルはメインカラーをホワイトからブラックに変更し、ラインナップ全体のデザインを一新。全体的にマットな質感でなめらかなフォルムとなった。

  • 左から、ハイエンドモデルのTile Pro(2022)、スタンダードモデルのTile Mate(2022)、テープで貼りつけて使うTile Sticker(2022)、財布などに入れるカード型のTile Slim(2022)

    左から、ハイエンドモデルのTile Pro(2022)、スタンダードモデルのTile Mate(2022)、テープで貼りつけて使うTile Sticker(2022)、財布などに入れるカード型のTile Slim(2022)

ハイエンドモデルのTile Pro(2022)は、鍵と一緒に持ち歩きやすいようデザインを変更。これまでスタンダードモデルのTile Mateと同様に正方形だったが、キーケースを思わせる、スリムな角の丸い長方形に変わった。

  • Tile ProとTile Mateはこれまで同じ形だったが、2022年モデルからPro(左)の形状が変わった

    Tile ProとTile Mateはこれまで同じ形だったが、2022年モデルからPro(左)の形状が変わった

全モデルでIP67の防水性能を取得。Tile Mate(2022)、Tile Sticker(2022)Tile Slim(2022)は、Bluetooth接続距離が75メートルまで向上した。Tile Pro(2022)のBluetooth接続距離は旧モデルと同じ最大約120m。

また、なくしものを探すときに再生するメロディの音量が、シリーズ全体で大きくなった。Tile Pro(2022)が最も音が大きく、Tile Mate(2022)、Tile Sticker(2022)Tile Slim(2022)も旧モデルより性能が上がった。

電池交換式はProのみ、他モデルは交換不可

Tile Mate(2022)は、電池寿命が約1年から約3年間へと長くなったかわりに、電池交換式を廃止した。

発表前に行ったTile CEOのCJ PROBER氏へのオンラインインタビューでは、こうした仕様変更をユーザーテストの結果、交換式よりも長寿命の内蔵電池が好評だったためと説明。また、ボタン電池の交換は環境負荷が高いとも語った。

  • Tile Mate(2018)(左)とTile Mate(2022)(右)の比較。2018年モデルは電池交換対応のため、裏面に電池交換用のフタがあるが、2022年モデルは内蔵電池で動くため、両面とも同じデザイン

    Tile Mate(2018)(左)とTile Mate(2022)(右)の比較。2018年モデルは電池交換対応のため、裏面に電池交換用のフタがあるが、2022年モデルは内蔵電池で動くため、両面とも同じデザイン

2022年モデルは、Tile Pro(2022)のみ電池交換式。これはシリーズ最大音量・最長のBluetooth接続距離を実現するには電力が必要で、他モデルよりも消耗が早いことが理由。なお、Tile StickerとTile Slimは、既存モデルでも電池は交換不可だった。

  • Tile Pro(2022)のブラックとホワイト。どちらもマットな質感で、ホワイトのみ一部メタリックな塗装が施されている

    Tile Pro(2022)のブラックとホワイト。どちらもマットな質感で、ホワイトのみ一部メタリックな塗装が施されている

落とし物発見率アップ、防犯対策など新機能も

2022年モデルから追加される新機能のひとつが「Tile Lost and Found」。落とし物を見つけた人がTile裏面のQRコードを読み取ると、落とし物の持ち主へ拾得を連絡できる。これにより、既存のTileコミュニティによるBluetooth接続範囲外の場所探知機能のほか、Tileユーザーでないすべての人が、落とし物を発見できるとしている。

  • 「Tile Lost and Found」は、Tile裏面のQRコードを読み取ることで、落とし物を拾った人が持ち主に知らせる機能

    「Tile Lost and Found」は、Tile裏面のQRコードを読み取ることで、落とし物を拾った人が持ち主に知らせる機能

落とし物の連絡にTileの利用登録は必要なく、QRコードを読み取れるスマートフォンがあれば誰でも使える。この機能はユーザー側でオン・オフ可能。なくしものをして機能を使いたい場合は、Tileアプリ(iOS/Android)から見つけたいTileを指定し、拾得者に表示する連絡先およびメッセージを設定する。

もうひとつは、防犯対策の機能である「スキャン&セキュア」。2022年モデルの発売と同時ではなく、2022年初頭にリリースする予定。自分のTileが不正に使用されていないか、意図しないアクセスや所持を把握していないデバイスが近くにあるかを、Tileアプリ経由で確認できる機能だ。

  • 「スキャン&セキュア」は、アプリからTileの不正使用や意図しないデバイスの所持をチェックする機能

    「スキャン&セキュア」は、アプリからTileの不正使用や意図しないデバイスの所持をチェックする機能

Appleが2021年にスマートトラッカー市場に「AirTag」で参入したとき、第三者から知らないうちに持たされてストーキングなどに悪用されるのではという懸念が広がった。AirTagでは本体と紐付いたiPhoneが近くにない場合にAirTagが鳴るほか、被害者がiPhoneユーザーだった場合「自身のものではないAirTagがある」と画面に表示される。

一方、Tileが今回実装した機能では、被害者がTileアプリをインストールし、自発的に不審なデバイスを探す必要がある。PROBER氏は「スキャン&セキュアは防犯対策の第一歩」として、専門家の指導を受けて引き続き安全対策を検討するとコメント。これ以降も、防犯対策の機能をさらに開発して発表予定という。ストーカーの加害者は70%が「被害者の知人」というデータを挙げ、(AirTagのような)プッシュ式の通知方法は見送ったとも付け加えた。

Ultra-Widebandの「Tile Ultra」、限定デザインTileも今後登場

今回発表した2022年モデルに加え、2022年初頭には新デバイス「Tile Ultra」の発売を予定していると告知。Bluetoothに加えて「Ultra-Wideband(超広帯域無線通信)」を用いた落とし物検索が可能なデバイスだ。

  • BluetoothとUltra-Wideband(UWB)で落とし物を探せる「Tile Ultra」が2022年発売予定

    BluetoothとUltra-Wideband(UWB)で落とし物を探せる「Tile Ultra」が2022年発売予定

Tile UltraではUltra-Widebandを活用した新機能「Point and Locate」で、ARを利用した正確な落とし物検索ができる。棚の裏に落とした鍵や、騒がしいレストランに置いてきたバッグなど、従来の音と大まかな位置情報では探しにくかった場所でも、簡単になくしものを見つけられるという。

この機能は、Android 12とUltra-Widebandに対応したスマートフォンで実装予定。Tile UltraそのものはiOS/Android双方に対応し、iOSでも将来的にはPoint and Locate機能が搭載されるとのことだ。

インタビューでは、2022年モデル全体のデザイン変更の意図を「限定版Tileのリリース」にもあると明かし、日本でも限定デザインを販売予定とコメントを得た。シンプルな見た目が特徴のTileが、どんな限定デザインを展開するのかも注目したい。

  • Tile 2022年モデル スペック一覧

    Tile 2022年モデル スペック一覧