ソースネクストのAI翻訳機「POCKETALK」(ポケトーク)に2021年夏、2つの無料アップデートとして「ポケトーク字幕」「グループ翻訳」が提供されます。いずれも海外の人とのコミュニケーションを円滑にする機能です。
また、リモート会議専用機「KAIGIO MeePet」(ミーペット)も8月18日に発売。今回、ソースネクストにおじゃましてユニークな製品をいろいろと体験してきたので、合わせて紹介しましょう。
Web会議でリアルタイムに翻訳字幕が付く「ポケトーク字幕」
手元の小さな端末で異なる言語を相互翻訳してくれる――それがポケトークの魅力です。新機能「ポケトーク字幕」では、Zoom / Skype / Microsoft Teams / Googleハングアウト / LINEといったリモート会議サービスと連動し、翻訳結果をパソコン画面に字幕表示できます。まさに映画の字幕を見ている感覚です。ポケトーク字幕は82言語に対応しています。
驚いたのは翻訳と表示の速さ。お互い日本語でやりとりをしているようなスピードで、外国語の相手とオンライン会議が可能になります(もちろん完全に母国語同士と同じスピード感にはなりませんが)。これがあれば、意思の疎通が万全でなかった外国人との会話でも、話が弾みそうです。状況や内容にもよりますが、仕事の会話にも便利でしょう。
今回のアップデートの対象機種は「ポケトークW」「ポケトークS」「ポケトークS Plus」で、初代「ポケトーク」は対象外です。また、パソコン側にはWindows 8.1 / 10で動作する専用ソフトをインストールする必要があります。
グループ翻訳も便利!
一方の「グループ翻訳」は、ポケトーク同士をチャットでつないで、最大100人が多言語間でコミュニケーションを取れる機能です。複数の言語を話す人が一堂に会するような場でも、お互いの意思を伝え合えます。こちらも82言語に対応。
グループ翻訳も、ほぼ同時通訳のようなスピード感で相互翻訳してくれることを確認しました。アイデアしだいで使い方が広がりそうです。
例えば、様々な国から来日した、外国人たちのバスツアー団体があったとしましょう。それぞれにポケトークを持ってもらえばガイドさんも楽々。日本語で「右手に見えますのが東京タワーです」と話すと、英語、中国語、ドイツ語、スペイン語――といった各々の母国語で理解してもらえるわけです。なお、通信には内蔵SIMを利用するため、お互いが離れた場所にいても利用可能。自由時間でバラバラになっていたツアー客に「雷門の前に集合してください」なんて呼びかけることもできます。
ポケトーク字幕とグループ翻訳、ソースネクストの社内では異なる複数の国々に暮らすメンバーとのオンラインミーティングにも活用しているそうです。
リモート会議のオールインワン、KAIGIO MeePet
リモート会議専用機「KAIGIO MeePet」の魅力は、この端末ひとつでリモート会議の環境がそろうこと。8インチのタッチ対応ディスプレイ、有効約500万画素(広角110度)のWebカメラ、マイク、スピーカーを備えています。価格は29,700円。
リモート会議サービスのZoom、Microsoft Teams、Webex Meetingsに対応しています。基本的には、画面のタッチ操作でミーティングIDとパスコードを入力して会議を設定(入室)しますが、本体のUSBポートにキーボードとマウスを接続して入力することも可能です。また、Outlookと連携して、スケジュールを読み込んで会議予定を表示する機能も便利です。会議の時刻になったらアラーム音で知らせてくれます。
HDMIポートも備えているため、液晶ディスプレイや大画面テレビ、プロジェクターに出力できるのも特長のひとつ。会議室の大きな画面で複数の社員が参加する場でも利用できます。カメラは広角の110度。社員間のソーシャルディスタンスも保てるでしょう。
ヘッドセット、キーボード、マウスといった周辺機器と接続できるので、パーソナルな使い勝手も良好です。本体サイズは幅213.63×奥行き108.88×高さ163.93mmと、まずまずコンパクト。
大人も夢中のオズモシリーズ
iPadを使った子ども向け知育玩具も取り扱っています。先進の知育玩具「Osmo(オズモ)」は、元Googleのエンジニアたちが立ち上げたTangible Play社の製品。実際に遊んでみると、大人もハマってしまうこと間違いなしの面白いものばかりでした。
iPadにOsmoベース(タブレットを置く台と赤い反射鏡)を装着してプレイします。手始めに、タングラム(パズル)をやってみました。ブロックを組み合わせて、指定されたシルエットを完成させるおなじみのパズルです。テーブル上のブロックと画面が連動、音とアニメーションによるリアクションが、子どものやる気と創造性をかきたてます。
ソースネクストでは現在、落ちてくるボールをゴールまで誘導する「ニュートン」や、プログラミングの基礎が学べる「コーディング オービー(初級)」、ピザ屋さんとなって来客の注文通りのピザを作りつつ、レジで会計とお釣りの計算もしていく「ピザカンパニー」といったゲームを取り扱っています。今後、タイトルはさらに拡充予定です。
ラインナップは、「ジーニアス スターター キット」が12,980円、「コーディング スターター キット」が12,980円でOsmoベースを同梱。「ピザ カンパニー」は6,050円で、別途Osmoベースが必要です。
このほかソースネクストらしさを感じられたのが、耳の不自由な人に向けたAIボイス筆談機「ポケトークmini」です。音声をリアルタイムで文字に変換して表示するという、シンプルな機能に特化しました。スムーズな筆談ができるため、すでに高齢者福祉施設、障がい者を雇用している企業などにも導入されているんだとか。筆者の祖父も100歳を超えて耳が遠くなりました。この製品を見て、開発者の温かい思いにジーンとくるものがありました。