iPhoneに「名前」を設定できること、ご存知ですか? パソコンやスマートフォンでWi-Fiの接続先を一覧したとき、インターネット共有(テザリング機能)を有効にしたiPhoneが表示されますが、そのとき表示される文字列がiPhoneの名前です。『設定』→「一般」→「情報」→「名前」画面で登録した文字列が、Wi-FiのSSID(アクセスポイント名)として使用されるのです。
その「名前」、初期値では「○○○のiPhone」(○○○は自分の下の名前)という文字列が適用されます。そのままにしてテザリングを有効にすると、知らない人のパソコン/スマートフォンにも、自分の名前が接続先リストの一部として表示されてしまいます。
テザリングだけでなく、AirDropの送信先候補にも「名前」が使われます。AirDropの範囲を「すべての人」に設定しているとき限定とはいえ、通りすがりの人に自分の名前を見られてしまうのですから、あまり気持ちのいいものではありませんよね。
そこで気になるのが、「名前」が現れる経路です。Wi-Fiの接続先リストはWi-Fi経由だから、Wi-Fiをオフにすれば表示されなくなりますが、AirDropはそうではありません。「名前」はWi-FiにくわえBluetoothでも外部へ発信されるのです。
実際、Bluetooth LEのアドバタイズパケット(一定間隔でBluetooth LEデバイスが発信する端末情報)を分析できるアプリを利用すると、付近にあるiPhoneの名前を確認できてしまいます。Bluetoothを完全オフ(「設定→「Bluetooth」画面でBluetoothスイッチをオフ)にしないかぎり検出でき、AirDropの設定を「連絡先のみ」にしていても事態は変わりません。
iPhoneに限らず、MacやApple WatchなどのApple製デバイス、一部のBLE対応製品(Local Nameをブロードキャストしているもの)についても、ペアリングの有無に関係なく名前を検出できます。この仕様を好まない場合は、iPhoneを含むBLE対応デバイスに設定している「名前」に注意しましょう。