米Slack Technologiesは3月24日(現地時間)、Slackユーザーが社外の人と簡単にダイレクトメッセージ(DM)をやり取りできるようにする「Slack Connect DM」(Slackコネクトダイレクトメッセージ)の提供を開始した。Slackがビジネスにおけるコミュニケーションプラットフォームの定番を目指す上で重要な新機能になる。ロールアウト開始直後にスパムや嫌がらせに悪用できる問題が指摘されたが、Slackは速やかに対応した。

Slackは昨年6月、組織の内外を問わず、共に仕事に取り組む人がSlackチャンネルを通じて共同作業を進められる「Slack Connect」をリリースした。しかし、共有チャンネルはコラボレーションの方法としては有用でも、社外の人と手軽につながれる方法とは言いがたい。例えば、Zoomはリンクを送ってミーティングに招待できるシンプルさが好まれて、新型コロナ禍において利用者を増やした。そこでSlackが昨年10月に発表したのがSlack Connect DMである。24日より有料プランで利用できるようになった。

ダイレクトメッセージは、送受信したい相手のメールアドレスに招待状を送付。招待された人が受諾すると、サイドバーのダイレクトメッセージ欄に相手がリストされ、Slackでダイレクトメッセージをやり取りできるようになる。簡単に始められるダイレクトメッセージから、チャンネルを作成して社内外の複数の人達が関わるようなプロジェクトへと発展させられる。

Slack Connect DMを悪用できる可能性の指摘は、招待状作成に関するもの。招待状の効果を高められるように、当初は招待状に最大560文字までのメッセージを書き込めるようになっていた。そのメッセージ欄に宣伝や悪意のある内容などを書いて送信すれば、Slackのアドレスから送られてくる招待状はメールサービスのコンテンツフィルターで取り除かれずに届くので、スパムや嫌がらせに利用できる。SNSやメディアを通じて瞬く間に悪用懸念が広がり、それを受けてSlackはすぐにメッセージを作成できる機能を削除。招待状には定型文が表示されるようになった。

  • トラブルに見舞われた招待状作成

    自由にメッセージを作成できたロールアウト当初の招待状作成