スマートフォン内部のICに通信・通話に必要な情報を記録し、SIM相当の機能を実現する「eSIM」。インターネット経由で契約情報を書き換えられるため、SIMカードを差し替えることなく通信キャリアを変更できるほか、複数の契約を記録することすら可能です。iPhoneでもXS/XR以降サポートされ、多くのユーザに活用されています。

そのeSIMですが、機種変更する場合には原則として再発行手続きが必要になります。機種変更前のiPhoneにダウンロードされたeSIMの情報(プロファイル)は、iPhoneの機種間データ転送機能「クイックスタート」やiTunes/iCloudのバックアップ機能では転送されません。eSIMを契約したキャリアで再発行手続きを行い、機種変更後のiPhoneで新しいeSIMプロファイルをダウンロードする必要があります。

つまり、iPhoneのクイックスタート機能を使うなどして完了させた機種変更手続きにおいて、eSIMは完全にスルーされます。バックアップを復元したから、ケーブルですべて転送したから機種変更前のiPhoneのまま、などと思い込まずに再発行手続きを行いましょう。

再発行手続きといっても、物理的なSIMカードとは異なり郵送などの処理は伴わない「SIMプロファイル再発行」のため、すぐに手続きは完了しますが、キャリアによっては再発行費用が発生します(IIJmio「データプランゼロ」は200円/税別、楽天モバイルは2020年10月以降無償化)。再発行した場合、ICCID(SIMカード固有の最大19桁の識別番号)の変更を伴うこともあるため、電話番号が新しくなることにも留意しましょう。

  • eSIMの情報は転送/バックアップ復元されないため、機種変更時には再発行手続きが必要になります)