凸版印刷は11月29日、日本医師会ORCA管理機構の子会社で、医療ビッグデータ活用サービスを展開するICIと資本業務提携を締結し、ICIが実施した第三者割当増資により発行する株式を引き受けたと発表した。提携に基づき、両社は病院、診療所、介護施設、健診施設などから収集した医療ビッグデータの流通を通じて「健康・ライフサイエンス」領域に関する新事業の創出を目指す。

医療ビッグデータを活用した健康・医療に関する研究開発の推進や、新たな産業・事業の創出による健康長寿社会の実現を目的に「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(通称:次世代医療基盤法)」が昨年5月に施行され、医療ビッグデータの利活用が促進されている。

ICIは、次世代医療基盤法に示された医療情報の匿名加工を行う認定事業者である「認定医療情報等取扱受託事業者」への認定を目指し、今年5月に日本医師会ORCA管理機構の子会社として設立。医療、健診、介護、死亡などのデータ収集・分析・匿名加工を行い、分析結果や匿名加工データを研究機関や民間企業へ提供することで、健康や医療に関する研究開発および、新事業の創出を目指している。

  • CIが展開する医療ビッグデータ活用サービスの概要

    CIが展開する医療ビッグデータ活用サービスの概要

凸版印刷は「健康・ライフサイエンス」領域を新たな成長領域の1つと位置付けており、誰もが健やかに生活できる健康長寿社会の実現に向け、さまざまな企業や専門機関とのアライアンスを通じ、食や運動、医薬に関連した効果的な製品・サービスを提供する。両社は今回の提携を通じて、医療ビックデータの流通に関する事業開発を進め、健康長寿社会の実現に貢献していく考えだ。