QRコードを表示するアプリ型電子マネーが話題の昨今ですが、日常的にはまだまだSuicaやPASMOなどICカードの交通系電子マネーを利用する機会が多いのではないでしょうか。iPhoneをお持ちの方なら、もしかしてケースにこれらのICカードを入れてお使いかもしれませんね。でも、iPhone 7以降ならAppleの決済サービス「Apple Pay」にSuicaを組み入れることができるんです。

なるほど、それってつまり……どういうこと?

iPhone上でカードを発行・決済・チャージまで

細かい仕組みは省きますが、ざっくり言うとiPhoneの中にバーチャルでSuicaを発行・保管できるようになった、という感じです。JR東日本をはじめとする交通機関各社の運賃はもちろん、コンビニなどの店舗、自販機など、Suicaが使える場所ならどこでも決済が可能です。ロック解除やアプリを開くなどの手間は必要なく、ただiPhoneをかざすだけでOK。Suicaと同じ手軽さで利用できます。

  • iPhoneの中に発行できる、いわば"バーチャルSuica"。「Wallet」というアプリの中で管理できます

  • カード型のSuicaと同じように、iPhoneを端末にかざすだけで決済が可能に。ただし、「エクスプレスカード」の設定が必要です

このSuicaは、Walletアプリ上でいつでも残高・利用履歴(最新50件・26週以内)の確認が可能です。改札を通った瞬間に表示される残高をいちいち確認する必要はありません。

  • WalletアプリでSuicaを開くと残高を確認できます。詳細ボタン→「ご利用明細」をタップすると、利用履歴を確認できます

残高確認だけでなく、iPhone上でチャージすることも可能です。これなら度々駅の券売機まで行かなくても大丈夫。改札を出ようとしたら残高不足で止められた、なんてことも防げます。

  • Walletアプリ上で金額を指定してSuicaにチャージ。決済はApple IDに登録したクレジットカードで行います

電車移動が多い方はSuicaにオートチャージを設定しているかもしれませんね。iPhone上のスイカでも大丈夫。Suicaアプリを使えばオートチャージの設定が可能です。

  • JR東日本のSuicaアプリを使ってオートチャージ設定。ただし、Apple Payとは別にモバイルSuicaへのクレジットカード登録が必要です

チャージだけでなく、定期券やグリーン券、特急券の購入もできます。

  • Suicaアプリで定期券も購入できます。ただし、通学定期は事前の申請や書類の郵送が必要です

iPhone上にSuicaを発行する方法は2つ

iPhone上にSuicaを発行するには、2つの方法があります。

(1)リアルのSuicaカードを取り込んで発行

お手持ちのSuicaカードを残高ごとiPhoneに取り込むことができます。取り込み後、リアルのSuicaカードは使用できなくなります。

  • Walletアプリを開き「+」ボタンからカード追加→情報を入力→SuicaカードとiPhoneを重ねて取り込み

(2)Suicaアプリで発行

Suicaをお持ちでない場合は、Suicaアプリで発行することができます。Suicaが販売されていないJR東日本圏外の方でもアプリ上で入手が可能。Suica互換の交通機関や決済端末で利用できます。

  • Suicaアプリを使えば全国どこにいてもSuicaの発行が可能です。Suica定期券も購入できます

ちなみに、機種変更の際は旧端末のWallet上でカードを削除しておけばOK。カードはApple IDに紐づけられているので、新端末のWalletからすぐに復元することが可能です。なお、iPhoneに登録されたSuicaをAndroidへ引き継ぐことはできません(逆は、iPhoneで全くSuicaを使ったことがない場合に限り可能)。

  • 機種変更の際は旧iPhoneの情報を消去する前に、WalletでSuicaを削除。カードの情報と残高は復元が可能です

SuicaだけじゃないApple Payの決済機能

WalletアプリにはSuica以外にクレジットカードも登録することができるようになっています。登録すると、クレジットカードに付属する電子マネー機能「QUICPay」や「iD」での決済が可能になります。これらの決済機能をまとめてApple Payといいます。Face ID(またはTouch ID)で認証を行うため、クレジットカードでサイン・PIN入力するよりスピーディに決済できます。

  • サイドボタン2回+Face ID(またはホームボタン2回+Touch ID)で支払い可能になります

カフェや小売店などに行ったらレジ付近に貼られたステッカーをチェックしてみてください。QUICPayやiDを使える店舗はかなりあるはずです。アプリを開いたり金額を入力するなどの手間がなく、使い方も簡単。クレジットカードの管理アプリや家計簿アプリを併用すれば、支払い履歴も把握できます。

この春、電車通勤を始める方はもちろん、お金の管理をきっちりしたいという方も、Apple Payを活用してみてはいかがでしょうか。