すでに速報でお伝えしているように、ファーウェイが折りたたみ式スマートフォン「Mate X」を発表しました。本稿では、Mate Xの詳細な仕様を紹介したいと思います。

  • 発表会でMate Xを披露する、ファーウェイのコンシューマービジネスグループCEO、リチャード・ユー氏

本体の外側に折れ曲がるディスプレイを搭載

Mate Xの折れ曲がるディスプレイは、たたんだ状態でMate X本体の外側を覆うように搭載されています。ディスプレイサイズは、開いた状態で8インチ、閉じた状態では6.6インチのフロントディスプレイと6.38インチのリアディスプレイの2枚に分かれます。

  • 折りたたまれた状態から広げると、2つのディスプレイを1つになり、大型のディスプレイとして利用できます

  • 左が開いた状態、右が折りたたんだ状態

表示解像度は、開いた状態で2,200×2,480ドット、閉じた状態ではフロントディスプレイが1,148×2,480ドット、リアディスプレイが892×2,480ドットとなります。

  • 折りたたんだ状態の表側。ディスプレイサイズは6.6インチで解像度は1,148×2,480ドット

  • 折りたたんだ状態の裏側。ディスプレイサイズは6.38インチで解像度は892×2,480ドット

  • 開いた状態。ディスプレイは8インチで解像度は2,200×2,480ドット

この折れ曲がる構造を実現するために、100以上のパーツで構成される特殊なヒンジを開発。これによって、スムーズな開閉を実現するとともに、開いた状態でも本体外側を覆うディスプレイがヒンジ付近でたわむことがないとのことです。また、閉じた状態で11mmの薄さとなる点も特徴としています。

  • 本体はスムーズに開閉できます

  • 100個以上のパーツを使った特殊なヒンジを開発

  • ヒンジを横から見ると、時計のバンドのように見えます。またヒンジ内側には本体内部から伸縮する板を配置してすき間を埋めています

  • 完全に開いた状態での裏面

  • 閉じた状態でも11mmの薄さを実現

本体サイズは、閉じた状態で78.3×161.3×11mm、開いた状態で146.2×161.3×5.4~11mm。重量は295gとなります。

閉じた状態では、本体のセンサーを活用して、本体を持つ向きを変えてもアプリなどの表示が利用者の顔の方向にあるディスプレイに自動的に切り替わるようになっています。

MWC 19 Barcelona会場のファーウェイブースにおいて、実際にMate Xに触れる機会が有りましたが、スムーズに開閉できることを確認できました。また、開いた状態でのヒンジ付近のディスプレイも、じっくり触ると指にわずかな凹凸は感じましたが、ほぼフラットで操作時には全く気になりませんでした。

重量に関してはスマートフォンとしてはやや重いのですが、開いてタブレットとして使う場合には、かなり軽快に使える印象でした。

超広角、広角、望遠の組み合わせのトリプルレンズカメラ

カメラは、LEICA銘のトリプルレンズカメラを搭載します。構成は4,000万画素の広角レンズ、1,600万画素の超広角レンズ、800万画素の望遠レンズとなります。

  • 4,000万画素の広角レンズ、1,600万画素の超広角レンズ、800万画素の望遠レンズのLEICAトリプルレンズカメラを搭載します

通常のスマートフォンのように本体表裏にカメラを搭載していませんが、本体を閉じた状態でカメラを自分の方に向けるとセルフィーカメラ、外に向けると通常のリアカメラとして利用できます。

また、本体を閉じた状態でセルフィー撮影をする際は、カメラで捉えた映像を裏側のディスプレイに表示して相手に見せることも可能となっています。

5G対応、NSAおよびNAと2種類のネットワークアーキテクチャをサポート

Mate Xは、ファーウェイ初の折りたたみ式スマートフォンであるとともに、5G対応スマートフォンでもあります。プロセッサにMate 20と同じKirin 980、5Gモデムとしてファーウェイが開発したBalong 5000を採用しています。いずれも7nmのプロセスルールで製造されたチップで、ファーウェイは世界初の7nm 5Gチップセットであるとしています。

  • Mate Xに搭載されるプロセッサーのKirin 980と、5GモデムのBalong 5000は、ともに7nmチップとなっています

Balong 5000は2Gから5Gまでの世界初のマルチモードモデムとのことです。5Gの通信速度は、Sub-6GHzで下り最大4.6Gbps、上り最大2.5Gbps。ミリ波帯域では下り最大6.5Gbps、上り最大3.5Gbpsとなります。

  • Balong 5000は世界初のマルチモードモデムで、5Gの通信速度は、Sub-6GHzで下り最大4.6Gbps、上り最大2.5Gbps。ミリ波帯域では下り最大6.5Gbps、上り最大3.5Gbps

Mate Xはアメリカや日本などで採用される「NSA-NA」と、その他の多くの地域で採用される「SA-NA」の、2種類の5Gネットワークアーキテクチャをサポートする点も特徴のひとつとして紹介されました。

  • Mate Xは、NSA-NAとSA-NAの双方に対応しているため、全世界で利用できるとのことです

  • Mate Xでは5G Sub-6GHzで下り最大4.6Gbpsの通信速度が発揮されます

Mate Xは、NSA-NAとSA-NA双方に対応する5Gスマートフォンとして「世界初」の製品だといいます。世界のどの地域でも問題なく利用可能としています。

4,500mAhの大容量バッテリー搭載

バッテリーは2つ搭載しており、容量はトータルで4,500mAhと余裕のある容量となっています。駆動時間に関しては未公表ですが、十分な駆動時間を確保できていると説明します。

  • バッテリーは2個内蔵し、容量は4,500mAh

Mate Xでは55Wの電力供給による急速充電が可能です。30分でバッテリー容量の85%を充電できるそうで、iPhone Xs Maxと比べると6倍高速とアピールされました。

  • 最大55Wでの急速充電に対応

  • 30分で85%の容量を充電できるそうです

この急速充電を実現できる付属ACアダプターは、かなり小型で、片手に収まるほどのサイズです。出力は最大65W。USB PDに準拠し、ファーウェイのノートPC、MateBookシリーズなどUSB PD対応PCの充電にも利用できるとのことです。

  • ACアダプターはUSB PD対応で、最大65Wの出力にも対応しているので、ノートPCの充電にも利用できます

このほかの仕様ですが、RAMは8GB、内蔵ストレージは512GB。SIMトレイには2枚のNano SIMカードが装着可能です。ただし、5G対応は一方のみで、もう一方は4Gまでの対応です。4G対応のSIMスロットは、Mate 20で対応したオリジナルメモリーカード「NM Card」にも対応します。

  • SIMトレイはNano SIM2枚を装着可能で、一方が5G対応、もう一方は4Gまでの対応で、オリジナルメモリーカードのNM Cardとの排他となります

発売時期は2019年6月ころを予定しています。発売地域は現時点では不明ですが、多くの地域で発売したいとのことですので、日本での発売にも期待が持てそうです。