ビットフューリー・グループ(ビットフューリー)は1月17日、アーティストや音楽業界の利害関係者が直面する課題に対処するためのブロックチェーンソリューションをデザインするミュージック・エンターテイメント部門として、新会社のビットフューリー・サラウンドを発表した。

同社によると、ミュージック・エンターテイメント業界が直面している課題として、クリエイティブ産業とプラットフォーム・エコノミー間のバリューギャップ、法的拘束力のあるデジタル著作権の登録、信頼性が高く統合されたデータの欠如、詐欺行為(セカンダリー市場、不正利用、データの改ざん)、事務的業務の非効率性などを挙げており、これらを解決するためのソリューションを構築するという。

ビットフューリー・サラウンドの最初の取り組みとしては、ビットコイン・ブロックチェーンにより保護されるオープンソースの音楽プラットフォームを構築。「Surround」と呼ばれるオープンソースのプラットフォームは、業界内のコラボレーション、新たなアプリケーションおよび革新を促進することが期待されている。

これにより、ミュージック・エンターテイメント業界全体における安全な著作権の譲渡、合理化された接続に加え、精度の高い監視・管理システムを通じ事業の効率化が図れる。同プラットフォームは、透明性の高い管理機能や信頼できるデータの提供を通じて、知的財産の共有や収益化および経済機会の拡大を目的とする、相互運用可能なデジタル・エコシステムを構築するとしている。

また、ミュージック・エンターテイメント業界のエコシステムの成長を支える上で重要な要因を確保するため、サービス水準合意(SLA)能力、相互運用性およびオーディタビリティ、ブロックチェーン内の安全な資産移動、ペイメント・レイル、変更不可能な信頼できるデータ、タイムスタンプの固着および分散化、オープンエコノミーのためのツール(一元化されたAPI、スマート・コントラクトの管理、ピアツーピア構造)、人工知能および機械学習、資産の共同所有を含む統合レイヤを提供・維持管理する。

同プラットフォームを利用することにより、アーティスト、レーベル、出版社、著作権管理団体、ストリーミングサービス、消費者、開発者などの既存および新規のステークホルダーは、シームレスな交流が可能となる。

さらに、エコシステムはビットフューリーのExonumオープンソース・ブロックチェーン・プラットフォーム上に構築され、透明性の高い環境を作り出すとともに、信頼性と協調性を向上させ、ミュージック・エンターテイメント業界とオープン・エコシステムを確立することにより、平等な競争条件下での取引や利害関係者にとって価値を高めることが可能になるという。

なお、ビットフューリー・サラウンド事業部門は欧州を拠点とし、最初の導入実績はアムステルダムおよびベルリンとなる見通しであり、それ以外にもロサンジェルス、東京、ソウル、モスクワでも展開が予定されている。