エイブリックは、紫外線指数計や紫外線照射装置向けに、UV-AからUV-Bまでの紫外線領域の紫外光を検知するシリコンを利用した紫外線フォトダイオード「S-5420」の販売を開始した。

  • 「S-5420」は、高感度/低感度の2種類の紫外線フォトダイオードで構成されている

    「S-5420」は、高感度/低感度の2種類の紫外線フォトダイオードで構成されている

今回発売された「S-5420」は、シリコン半導体を用いたこの新製品は、シミやしわの原因となるUV-Aから、日焼けの原因となるUV-Bまでの紫外線波長を計測できる、紫外線フォトダイオード。エイブリックと東北大学大学院工学研究科の須川成利教授、黒田理人准教授の研究グループと共同で技術開発された製品だ。

透明樹脂パッケージの「SON-6C」を採用

透明樹脂パッケージの「SON-6C」を採用

従来、シリコンフォトダイオードで可視光をカットする場合、専用フィルターにより可視光成分をカットし、UV-AとUV-Bの波長帯を測定していた。同製品では、高感度フォトダイオードと低感度フォトダイオードの信号差分を取ることで、フィルターなしで可視光領域をカットし、UV波長帯で感度を際立たせることを実現した。これにより、アプリケーションの薄型化やフィルターによる光の減衰を防ぐことができる。

また、2.55×1.56×t0.65(max.)mmという小型の透明樹脂パッケージに搭載したことで、ウェアラブル端末での設計自由度が広がり、紫外光を照射する産業機器に自由度の高い設計が期待されるとしている。

エイブリックは将来的に、周辺部品を取り込んだ製品をラインナップし、ウェアラブル市場、IoT市場、産業機器市場などでの実用化に向けて、健康管理や産業用途へのニーズにも応えることを目指すということだ。