富士通研究所は、大量のIoTデータ処理が必要とされる分野で有用なストリームデータ処理アーキテクチャー「Dracena」(ドラセナ/Dynamically-Reconfigurable Asynchronous Consistent EveNt-processing Architecture)を開発したことを7日、発表した。
「Dracena」は、コネクテッドカーなど位置情報や速度、運転操作ログなど100ミリ秒から1秒ごとに発せられる大量の車両からのデータを継続的処理しなければならないような分野において有用なアーキテクチャー、特許出願済みのものとなる。
従来は同じ規模のシステムの切り替えにより、リポジトリ(データベース)からのデータ処理を読み込み、速度履歴や位置履歴などメモリデータをコピーするなど遅延が増加するサイクルであったが、新開発の「Dracena」では車両ひとつひとつの処理単位(オブジェクト)に新しいデータ処理を並行で行わせることで遅延を無くしている。
100万台の車両から毎秒数十バイトのデータ受信を行う「運転時間超過検出サービスを提供している状態で急ブレーキ検出サービスを追加する」同社のシミュレーションでは、処理内容の追加・変更を加えても遅延増加量が平均5ミリ秒以内で処理が継続できており、無停止運用が求められるコネクテッドカー向けの運転アシストや家電製品のエコ利用サポート、スマートフォンによる環境客誘導などリアルタイムサービスの提供が求められる分野に広く対応できるとしている。富士通が提供する「Mobility IoT Platform」の構成要素として2018年度中の実用化を目指す。