2017年も多くの愛すべきデジタル製品が登場しました。マイナビニュースでは、デジタル業界に造詣の深いライター諸氏による年末特別連載「2017年ベスト買い物」を12月末まで随時掲載していきます。今年、実際に購入した製品のなかで最も「買ってよかった! 」と思ったものを紹介する本企画。第3回は、デジタル製品全般、そしてインターネット事情にも詳しいライター、山口真弘氏。2017年ベスト買い物は、電子書籍リーダー「Kindle Oasis」(Amazon製)です。


  • Amazon

    「Kindle Oasis」。国内向けのKindleとしては初めて、6型以外の画面サイズを備えたモデルです

Kindle Oasis」は、E Ink電子ペーパーを搭載した読書端末「Kindle」シリーズのうち、国内向けモデルとしては初の、6型よりも大きな画面(6.8型)を備えたモデルです。さらにこちらもKindle初となる、防水機能を備えるのも特徴。解像度は300ppi、重量は194g、メモリ容量は8GB/32GBの2モデルをラインナップします。ちなみに昨年(2016年)に発売された同名モデルは「第8世代」、今回のモデルは「第9世代」という呼び方で区別されています。

大画面、なのに軽い電子書籍リーダー

やはり大画面、かつ軽量であることが良かったポイントですね。液晶タブレットの場合、7型ともなると重量は250gを切るか切らないかがやっと、中には300gにかかろうかという製品もありますが、本製品は6.8型にしてわずか194gということで200gの大台を切っており、長時間手に持って読書しても疲れません。端末を上下ひっくり返してどちらの手でも持てるのもポイントです。また画面の縦横比が4:3と紙の本に近いので、ワイドサイズの7型タブレットよりもページの表示サイズが大きいのも利点です。

  • Kindle

    手に持つ部分に比べるとスクリーン部が極端に薄いのが外見上の大きな特徴

  • Kindle Oasis

    上下を反転させて左右どちらの手でも持てるのが特徴です。180度回転させると自動的に上下が入れ替わります

見開き表示もギリギリOK

画面を照らすフロントライトはKindleシリーズほぼ全機種の特徴ですが、この製品はLEDの数が増えたせいか従来より画面の色ムラが少なく、就寝前に部屋を暗くした状態でも快適に読めるのが特徴です。あと多少無理をすれば、画面を横向きにして見開き表示でも読めることも利点でしょう。本製品よりも画面サイズの大きい楽天Koboの読書端末は見開き表示に対応しないので、コミックの見開き表示は、本製品の特徴が活きる用途だと思います。

  • タッチパネルでの操作に加えて、前後へのページめくりボタンを搭載します。水滴でタッチスクリーンの反応が悪くなった時にもこれが重宝します

せめて2万円台だったら……

惜しいポイントはやはり価格でしょう。最も安価な8GB/Wi-Fi/キャンペーン情報ありのモデルでも33,980円という価格は、Kindleのヘビーユーザであっても躊躇する額です。ひとつ下のグレードに当たるKindle Voyage(23,980円)とのバランス上、値段を下げられなかったという事情はありそうですが、せめて29,800円であれば、印象はずいぶんと変わるのになと思います。あとバッテリー持続時間は数週間となっていますが、ヘビーユーザはそれだけ読む量も多いことから、実際には一ヶ月も持たずに充電が必要になるのも、実際に使ってみると公称値とのギャップを感じる部分です。

7.8型クラスの大画面モデルも欲しくなる

本製品をしばらく使ったあとで従来の6型モデルを見ると、サイズが露骨に小さく感じられて驚くわけですが、同時にさらにひとまわり大きな画面も欲しくなるのが、我ながらゲンキンだなと思います。個人的には、Koboがすでに実現している7.8型クラスで、かつ見開き表示でも使いやすいボタン配置を採用した製品が、将来的に出てくることを期待します。

製品のラブ度 ★★★★★
製品のオススメ度 ★★★☆☆