これもSiriの機能の1つとして捉えることができるが、iOS 11では自動的に「運転モード」(Do Not Disturb While Driving)に切り替える機能を備えた。

自動的に切り替わる「運転モード」

これまでiOSには、時間でスケジューリングし、緊急連絡以外の通知について鳴動や画面の点灯をさせない「おやすみモード」が搭載されていた。また、日没から日の出までの時間帯、ブルーライトをカットする「ナイトシフト」も存在している。これらの機能は、手動でONにするか、時間や暦に合わせてスケジューリングする仕組みだった。

しかし新しい運転モードは、Bluetoothやモーションセンサーなどの使用状況から自動的にONにすることもできる(もちろん、手動でのONも可能だ)。ONにすると、運転に集中できるよう、新しい通知が届いても、画面が点灯しなくなる。挙動についてはおやすみモードと同様だ。

特定のコンタクトに対して自動的にメッセージを返信する機能もあり、例外的に通知をしてくれる設定もできる。ユーザーがどんな状況にあるのかを判断して、自動的に安全運転できるよう配慮する機能と言える。

そして、iOS 11ではSiriによる文脈理解がiOSのアプリ間でも共有されるという。

例えばSafariでアイスランドを検索していれば、「News」アプリにアイスランドの旅行の記事をピックアップしてくれたり、文字入力の推測候補に「Reykjavík」(アイスランドの首都)を優先的に挙げてくれたりするという。

もちろんこれらのデータは使っているiPhoneやiPadの中で閉じ、一時的にそうした理解に応じた挙動が生じると考えられる。ただ、知らず知らずのうちに、Siriのアシスタントのメリットを享受することになり、Siriも主張こそしないが「小気味よく」やりたいことを実現できるテンポを生みだしてくれるようになる。