説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneを振れば歩数や歩いた距離は増えますか?』という質問に答えます。

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結論からいうと、アプリ次第です。上下に一定のリズムで振るなど振動を与えればある歩数としてカウントされることはありますが、必ずカウントされるとはかぎりません。もし、「ポケモンGO」のように歩いた距離が意味を持つアプリのためにiPhoneを振ろうと考えているのなら、効果は期待しないほうがいいでしょう。

iPhoneには各種のセンサーICが搭載されており、縦・横の状や態位置情報の検出などに活用されています。iPhoneを傾けるなどしてゲームのコントローラに利用するアプリが存在しますが、それもセンサーICから取得した情報をもとに傾きの判定を行っています。

歩数を測定するアプリも、センサーICから取得した情報を利用しています。iOSに用意されている開発フレームワーク(アプリ開発に利用できるライブラリ)のひとつ「Core Motion」には、歩数を取得できる関数が用意されており、現在公開されている歩数表示に対応したアプリの多くは、この関数を利用しています。

この関数には歩いた距離を推定する機能もあるため、歩数と移動距離は必ずしも連動しません。アプリによっては他の方法を使い歩数を割り出していますから、iPhoneを振っても歩数が増えないこともあります。センサーICを搭載しない昔からあるタイプの万歩計(振り子式歩数計)と同じ方法は、必ずしも通用しないのです。

なお、iPhone 5s以降のiPhoneは、内蔵のモーション・コプロセッサ(CPUから独立し専門的な処理を行う集積回路)がセンサーICを管理し、歩数などの情報を自動的に記録しています。消費電力がごくわずかということもあり、歩数など運動情報を測定するアプリはその機能を利用することが増えています。もし複数のアプリで異なる歩数が測定されたとしたら、よぶんな振動を取り除くしくみがあるかないかということでしょう。

iPhoneを振って歩数としてカウントされるかどうかはアプリ次第ですが、歩数と移動距離は必ずしも連動しません