仏Parrotは9月29日に記者発表会を開催し、コンシューマー向けミニドローンの新製品「Parrot Swing」および「Parrot Mambo」と、その専用コントローラー「Parrot Flypad」を発表した。会場にはデモブースも用意されており、実際に製品の操縦を体験できるようになっていた。ここでは、その動画や静止画を交えながら発表会の様子を紹介する。

Parrotは、スマートフォンやタブレットの関連製品を開発・販売している。これまでにも先進的なテクノロジーを活用したドローン製品を数多く発売してきた。発表会ではそのParrotで、ジャパンアジアパシフィック マネージング ディレクターを務めるクリス・ロバート氏が登壇し、新製品「Parrot Swing」と「Parrot Mambo」の紹介を行った。

「Parrot Swing」と「Parrot Mambo」を手に持つParrot ジャパンアジアパシフィック マネージング ディレクター クリス・ロバート氏

両モデルには、ボディ内に機体の動きや傾きを測定・分析・調整する3軸加速度計と3軸ジャイロスコープのほか、高度を管理する超音波センサー、より高い高度を管理する気圧センサーなどが組み込まれ、安定飛行を実現する。

また、カメラも搭載しており、地面の画像を16msごとに比較して、ドローンの速度を決定しているという。撮影したドローニー(ドローンによる空撮)映像は、内蔵フラッシュメモリに保存しておくことも可能だ。

キャノン砲が撃てる「Parrot Mambo」

「Parrot Mambo」は、質量63gという非常に小型軽量のミニドローン。初心者、エキスパート問わず誰でも操縦できるという。コンパクトながら、オプションのアクセサリーを取り付け可能で、製品には「グラバー」と「キャノン」の2種類が同梱される。

「Parrot Mambo」を紹介ロバート氏

そのうち、「グラバー」はモノをつかんで運ぶことができるアクセサリーで、搭載重量は最大4gまで対応しており、会場では包装されたキャンディを運んで離れた人に届けるデモが行われた。

最大4gまでのものをつかんで運べる「グラバー」

一方、「キャノン」は、標的を見つけてボールを発射できるというもの。射程距離は2mで、弾倉容量は6発となっている。いずれも遊び用途やゲーム用途を想定しており、ロバート氏は「テクノロジーは"つまらないもの"にしてはならない。"楽しさ"をこれらの製品やアクセサリーで提案する」と説明した。

オプションでは「キャノン」も用意

「Parrot Mambo」は税別15,000円で10月発売予定

垂直離着陸できる固定翼ドローン「Parrot Swing」

次に紹介されたのが、固定翼ドローンの「Parrot Swing」。4枚の翼がX型に配置された独特のウイング形状をしており、固定翼ながら垂直離着陸が可能だ。ロバート氏によれば、固定翼についた4つのプロペラが空を向く状態(クアッドコプター・モード)で垂直に離着陸し、プロペラを進行方向に傾ける(固定翼モード)ことで水平に飛行するという。

「Parrot Swing」は4枚の翼をX型に配置

モードの切り替えは瞬時に行われる。最高速度は時速29kmで、右旋回や左旋回、Uターン、90度旋回、180度旋回、ハーフフリップ、宙返りなどのアクロバット飛行も非常に高速かつ滑らか。質量は約73gで、最大飛行可能時間は8分間となっている。

「Parrot Swing」の飛行風景

なお、「Parrot Mambo」も「Parrot Swing」も、操縦は専用のスマートフォンアプリ「FreeFlight Mini」から行う。スマートフォンとドローンはBluetooth Low Energyで接続され、最大通信距離は20mとなっている。

「Parrot Swing」は安定した飛行を実現

発表会では、より高度な操縦を可能にする専用リモコン「Parrot Flypad」(単体価格は税別5000円9も発表された。これはBluetooth Low Energyに対応したワイヤレスリモコンで、操縦可能な通信距離を最大60mまで拡張することが可能。単体でも発売されるが、「Parrot Swing」の場合は製品に同梱されるという。

ミニドローン専用のワイヤレスリモコン「Parrot Flypad」

「Parrot Swing」は「Parrot Flypad」が付属して税別17,000円、10月発売予定

友達と一緒に遊びたくなるミニドローン

製品発表後に会場に設けられたデモブースで、2モデルの飛行実演や操縦体験が行われた。2モデルのうち「Parrot Swing」は固定翼モードでの水平飛行が非常に滑らかで、等間隔に並べられた輪の内側をくぐり抜ける際もすべるように移動していたのが印象的だった。

「Parrot Swing」のデモ風景

一方の「Parrot Mambo」はゲーム感覚で操縦できるのがとにかく楽しいの一言。ちなみに付属アクセサリーの「キャノン」で発射できるボールは直径2mmの小さく軽いものなので、万一人体に当たったとしてもケガにつながる心配はなさそうだ。

「Parrot Mambo」のデモ風景

ただし、その分威力も少ないので重量のあるものを撃ち落とすのは難しいが、プラスチックコップくらい軽いものなら弾き飛ばすことは十分可能。デモの様子は動画でも撮影しているので、ぜひ確認してみてほしい。

「Parrot Swing」と「Parrot Mambo」のデモ(動画)※音が出ます