もう1点、Google Homeのデモビデオを見ていて気になった点は、Google Homeが利用できる場所である。

ネットワークはWi-Fi経由でどこにでも置くことができるが、電源ケーブルは必要なデバイスだ。一般的な家庭であれば、壁際への配置が基本になる。

リビングではソファーのサイドテーブルのランプの脇や、キッチン回り、そしてデスク、枕元などに置くことは可能だが、部屋の真ん中にあるダイニングテーブルに置くことは難しいだろう。

意外と、家の中での設置場所を選ぶデバイスなのだ。

となると、前述の声に出して操作できるシチュエーションと相まって、現在のライフスタイルの中でGoogle Homeを利用することは、かなり特殊な状況になってしまう。ライフスタイルを変えて設置させるほど、Google Homeに力があるかどうかは、正直なところ未知数だ。

もしも、優秀な音声アシスタントを個人に使わせたいのであれば、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチの方がふさわしい。家の中であっても、基本的に、それらは常に手元にある。

もし音声アシスタントを使うことになっても、リビングで声を張り上げなくても良いし、返答の音量に気遣うこともない。スマートウォッチに対して、ささやく程度で十分だし、場合によっては、ディスプレイでのフィードバックで済ませれば良いからだ 。 視覚のフィードバックを使うのであれば、冒頭でご紹介した、音声によるコンピュータの操作からは外れるが、良い面をブレンドすれば十分使いやすく、また現実的なインターフェイスに仕上がるのではないだろうか。