説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneの"ダイイングメッセージ"は当てにならないの?』という質問に答えます。

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ダイイングメッセージとはあれですよね、サスペンス系の小説やドラマで被害者が亡くなる際に残す走り書き。多機能なiPhoneといえど人間ではありませんから、そこまで器用なことはできませんが、受け取りかた次第ではダイイングメッセージ的な機能もあります。

それは、iCloud関連サービスのひとつ『iPhoneを探す』に含まれる「最後の位置情報を送信」です。この機能を有効にしておくと、iPhoneのバッテリーが尽きる間際、iPhoneの位置情報をAppleのサーバに自動送信してくれます。紛失や盗難により手もとを離れたiPhoneが確実に存在した場所がわかる、という点では重要な情報です。

この機能を有効にするには、『設定』→「iCloud」→「iPhoneを探す」の順にタップし、「最後の位置情報を送信」スイッチをオンにします。iPhoneを紛失した後では手遅れですから、一種の盗難/紛失保険という意味でも、このスイッチはつねにオンにしておくべきでしょう。バッテリー消費量が大幅に増えることもなく、常時オンにすることによるデメリットは特にありません。

ただし、この機能は完璧とは言えません。iPhoneのバッテリーが次第に消費され、電源が切れそうになるタイミングでは位置情報が送信されますが、それ以外はなにも起こりません。iPhoneはロック状態でもスリープボタン長押しで電源オフできますから、バッテリーが尽きる前に誰かに電源オフされてしまうと、位置情報が送信されないのです。電源オフのタイミングでも位置情報が送信されるしくみがあれば、この問題は改善されますが、それには今後のiOSのバージョンアップを期待するしかなさそうです。

「最後の位置情報を送信」スイッチは盗難/紛失保険にはなりますが、完璧ではありません