ここまで機種選定の理由を淡々と挙げてきたが、いずれも事前情報が中心でタッチ&トライを繰り返したものではない。実際の使用感はどうなのか? 具体例を挙げつつ率直な感想を述べてみたい。

まず、全体的な感想について。よくXperia Z Ultraを「ファブレット」と呼ぶが、筆者としては「(スマートフォン+タブレット)÷2=ファブレット」としてではなく、「スマートフォン×0.7+タブレット×0.3=ファブレット」という意味合いで本機を評価したい。やはり普段使いの端末としては多少大ぶりだが、2台目のスマホ、タブレットとしても使えるスマホとしては、絶妙なポジションにあると思える。

しばらく片手持ちしても疲れない大きさ/重さで、この画面サイズ。電子ブックビューアとしても絶妙なバランスだ

テレビ端末としての使い勝手はいい。画面サイズはiPad miniの6割程度だが、デジタル放送を適正なアスペクト比(16:9)で表示したときの実面積はiPad miniとほぼ同じ。iPad miniとほぼ同じ画面領域をこのボディサイズ/重量で得られるメリットは大きい。寒い朝、録画した番組を寝床で見るにはお手頃だ。行儀は悪いが、食事中にニュース番組を見るときには付属の充電ドックがテレビ台として役に立つ。

付属の充電用ドックに載せた「Xperia Z Ultra sol24」。テレビをリモート視聴するときには、このスタイルが疲れなくていい

「ハイレゾプレイヤー」としても満足している。アプリ「ONKYO HF Player」とUSB-OTGケーブルを用意すれば、各種ハイレゾ音源を再生できるし(DoP方式によるDSDネイティブ再生も可)、複数のmicroSDカードを用意すれば多数の楽曲を持ち運べる。約3000mhAのバッテリー容量は、ディスプレイを点灯させるとパワフルとは言い難いが、消灯して音楽再生に特化すればじゅうぶん長持ちする。オーディオ機器の試聴会に音源を持ち込む用途に、早速活用している。

「ONKYO HF Player」を利用してハイレゾ再生機として活躍中

「ONKYO HF Player」はDSDのネイティブ再生(DoP)にも対応している

Bluetoothスピーカー用音楽プレイヤーとしても重宝している。NFCのおかげでペアリングがスピーディーに完了するうえ、Bluetooth/A2DPのコーデックとしてSBCとAAC、aptXの3種に対応している。リビングで使用している「Klipsch GiG」はaptXをサポートしているので、同じ曲を再生するにしてもAACが使用されるiPhoneより有利なのだ。

Bluetooth/A2DPのコーデックはSBCとAAC、aptXの3種類をサポート