NTTドコモは11月28日、神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンターにて「DOCOMO R&D Open House 2014」を開催した。次世代通信技術である5Gや、ウェアラブルデバイス、自然言語を用いた音声対話エージェントなど、同社が研究を進める取り組みについての講演・展示会である。同イベントで行われた、NTTドコモ執行役員 イノベーション統括部長・栄藤稔氏の講演「イノベーションによる"みらい"創造」をレポートしていこう。

NTTドコモ執行役員 イノベーション統括部長・栄藤稔氏

イノベーションに必要なデザイン思考

栄藤氏はまず、IT分野におけるイノベーションについて、スティーブ・ジョブスがスピーチで語った「connecting the dots...」という言葉を引用し、次のように説明する。「シュンペーターは『新しいことがイノベーションである』と定義したが、成熟したIT技術においては(既存の技術を)組み合わせることが大事。ブライアン・オーサーが『技術とはコンビネーションである』と言っているように、大事なのは技術と技術を組み合わせて何が生まれるかであり、connecting the dots...(点をつなげること)だ」。

栄藤氏は自身が以前に書いた記事を引用しつつ、「これからはデザイン思考が大事になる」と言う。

デザイン思考とは、「感動を与えるためにはデザインが重要と知る」ことであり、ここでいうデザインとは、単にビジュアル的なものではなく、サービスをより良い形で提供するためのシステム設計全体を指している。

デザインに必要な資質

ドコモ内でイノベーション活性化を目指す栄藤氏が求めるのは、こうしたデザイン思考ができる人材だ。「技術とビジネスモデル、エコシステム全体を俯瞰して見える人が欲しい」(栄藤氏)。