説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iOS 8移行時、iCloud Driveへアップグレードすべきですか?」という質問に答えます。

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iOS 8にアップグレードする最終段階で、必ずiCloud Driveに関する質問を受けます。現れる選択肢は「iCloud Driveにアップグレード」と「今はしない」の2つ、どちらか一方を選ばないことには先へ進めません。アップグレードは後日に回すこともできるので、よくわからない場合は「今はしない」を選択しましょう。

iCloud Driveは、従来のiCloudが持っていたデータ保存機能(iCloudストレージ)を拡張し、汎用的なオンラインストレージとしての使い方を可能にします。iCloudストレージは基本的に「Keynote」や「Numbers」など対応アプリからしか読み書きできませんでしたが、iCloud Driveではパソコン(Mac/Windows)のファイルブラウザからの読み書きをサポートするため、DropBoxなどのオンラインストレージサービスと同じ感覚で利用できます。

しかし、この原稿を書いている9月20日の段階では、MacユーザにはiCloud Driveへのアップグレードを推奨できない状況です。iCloud DriveをサポートするOSは、iOS 8以外ではWindowsのみで(最新版「iCloud for Windows 4.0」のインストールが必要)、Macのサポートは近々リリース予定のOS X Yosemite以降となるからです。iCloud Drive対応OSがない状況でアップグレードしてしまうと、iOS 7や現行のOS X(Mavericks)では文書が最新の状態に同期されなくなります。

一方、iCloud Driveへのアップグレードを完了するまで、iCloud.com上でWEBアプリとして提供されるPages/Numbers/Keynoteは利用できません。iCloud経由での共有機能も利用できなくなるため、文書のコラボレーションが不便になります。

Pages/Numbers/KeynoteなどiCloudストレージ対応のアプリを利用しているMacユーザは、OS X YosemiteのリリースまでiClud Driveへのアップグレードを控えたほうがいいでしょう