2014年6月30日、総務省は「2015年度にも携帯電話会社にSIMロック解除を義務付ける」とした方針を公表しました。では、SIMロック解除が義務化されることで、本当に便利になるのか? 今回はこの事について考えてみます。

SIMロックとは?

ドコモ、au、ソフトバンクなどキャリア販売されている端末には、契約したキャリア回線でないと通信・通話ができないようになるSIMロックがかかっています。簡単に言うと、ドコモで契約した端末に、同じ形状をしたauやソフトバンクのSIMを挿し替えても、通信・通話をすることができないというものです。

ただ、現時点で、このSIMロック解除に各社が応じていないかというと、そういう訳ではありません。ドコモは2011年4月以降に発売された殆どの機種(iPhone、iPadを除く)でSIMロック解除(有料)に応じており、ソフトバンクも301F、201HW、009Z、008Zの4機種で対応しています。なお、auは他キャリアのSIMが使えるようになる、SIMロック解除には応じていません。

現在、各キャリアの料金プランに差はほとんどありませんが、今回のSIMロック解除の義務化により、料金面での争いというのは避けられない状態です。

ユーザーにとってのメリットは……

  • 月額料金が安くなる

SIMロック解除をすることで、これまで格安SIMを使えなかった端末でも利用できるようになり、料金プランの選択も広がります。キャリアプランと違って、MVNOの料金プランはユーザーの利用に合わせたシンプルなもののため、結果、大幅なコストダウンも可能に。

  • 海外での使用がもっと身近に

また、普段使っている端末を持って海外旅行に行き、旅先でプリペイドSIMを購入して挿し替えて使えば、これまでよりもお得な料金で通信・通話が楽しめます。これだけ聞くとなんだかとっても良いことのように思いますよね。

しかし、SIMロック解除をすることで問題もでてきます。

知っておきたいデメリット

  • キャリアサービスの恩恵が受けられない

当然ですが、SIMロック解除をすると各キャリアが提供するサービスは受けられなくなります。

中でも大きいのは、端末を購入することによる割引プランです。キャリア契約では、条件(2年間利用など)を満たすことで割引サービスがあり、場合によっては最新のモデルも実質0円で入手することが可能。月額がやや高額である反面、端末の料金が安くなるというメリットがあります。反対に、格安SIMの利用では月額料金は抑えられるが、端末の割引についてはほとんどないというのが現状です。

  • そのSIM本当に使えますか?

端末とSIMを入手しても、全ての機能が使えないという可能性もあります。端末によって受信できる周波数帯(バンド)が異なり、キャリア各社が管理する周波数帯が異なるからです。

重複する周波数帯があるため、全く使えないということはないと思いますが、これまで快適に使えていたエリアなのに、SIMロック解除し、別のキャリアのSIMを入れたら繋がりが悪くなった、なんていうことも出てくることでしょう。

周波数帯の問題はSIMフリー端末を購入する際に注意すべきポイントの1つですので、事前に調べておくことが必要です。

前進に向けての第一歩

これを機に、2015年度の実施に向けてより一層内容が精査され、ユーザーにとって、便利で使えるものになることを期待したいですね。

記事提供:SIM通

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