説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「OSアップグレード直前のバックアップ、お勧めは?」という質問に答えます。

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iPhoneのシステムソフトウェア「iOS」をアップグレードするときには、必ず直前にバックアップを作成しておきます。iOSをアップグレードすると、アプリおよびアプリが保有するデータはすべて消去されてしまうからです。

もしバックアップを取らないままアップグレードを実行すると、アプリのデータは失われます。アプリを購入した情報はiCloudに蓄積されているため買い直す必要はないものの、ログやセーブデータ的な情報は失われます。バックアップを復元すればアプリをアップグレード直前の状態に戻せるので、アップグレード前にはバックアップが必要なのです。

このバックアップ、iOS 5以降のiPhoneには2つの選択肢が用意されています。ひとつは、iCloudへ直接バックアップデータを送信する方法で、もうひとつはUSB(Dock/Lightningケーブル)経由でパソコンのiTunesライブラリへ送信する方法です。

iCloudによるバックアップは、パソコンが必要ないうえ無線LANさえあれば作業できるメリットがあります。しかし、多数のアプリをインストールしている場合にはデータ量が膨大になり、そのぶん時間がかかります。iCloudの空き容量が足りずバックアップできない可能性もあります。

しかし、パソコンにバックアップすればUSB 2.0の速さを生かせるので、iCloudにバックアップする場合より時間がかかりません。アプリが持つログなど一時利用のデータもしっかりバックアップされるので、新しいOSでもアップグレード直前の状態のアプリを利用できます。OSアップグレード前のバックアップは、迷わずパソコンへのバックアップを選択しましょう。

iTunesのiPhone管理画面では、2種類のバックアップ形式を選択できます。OSのアップグレード直前のバックアップであれば、迷わず「このコンピュータ」を選びましょう