携帯各社はスマートフォンや携帯電話、タブレットの毎月の支払い額や利用期間に応じてポイントを付与するポイントプログラムを展開している。だが、これらのポイントプログラムを活用しきれていなかったり、「存在自体を忘れていた」という人も意外と多い。読者の中にも思い当たるふしがあるという人は多いだろう。

しかし、ポイントプログラムは機種変更やオプション品の割引、ショッピングやデジタルコンテンツなどの購入に利用できる"お得"なサービスであり、これを活用しないという手はない。そこで本稿では、各社のポイントプログラムをおさらいしつつ、その違いを紹介していきたい。加えて先日NTTドコモが会員向け優待サービス「ドコモクーポン」を2014年4月1日より拡充すると発表した。同施策は、長期利用者を対象にした興味深い内容となっているので、こちらも詳しく紹介していきたい。

主要3キャリアのポイントプログラムをおさらい

主要3キャリアのNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの各社は、それぞれ「ドコモプレミアクラブ/ビジネスプレミアクラブ」「auポイントプログラム」「ソフトバンクポイントプログラム」というポイントプログラムを実施している。まずは、各社のポイントプログラムをおさらいしてみよう。

ドコモが実施している「ドコモプレミアクラブ/ビジネスプレミアクラブ」は、3キャリアの中で唯一、長期契約者を優遇するポイントプログラムとなっているのが特長だ。毎月の請求額に対するポイント付与率が、他社では契約年数に関係なく一律となっているのに対し、ドコモプレミアクラブでは、契約年数に応じてポイントの付与率が上昇していく。

前述の通り、同プログラムは2014年4月よりサービス内容が改定される予定だ。改定後は1000円ごとにポイントが付与され、継続契約年数5年未満の「1stステージ」ではポイント付与率0.5%、5年以上の「2ndステージ」では1%、8年以上の「3rdステージ」では1.5%、10年以上の「プレミアステージ」では2.0%となる。さらに、新たに継続契約年数15年以上の「グランプレミアステージ」が創設され、同ステージのポイント付与率は2.5%となる。また、ドコモのクレジットカードである「DCMX GOLD」カード会員は、継続契約年数に関係なくポイント付与率10%となっている。

また、ドコモプレミアクラブは、キャンペーンによるボーナスポイント付与が充実しているのも特長のひとつで、「アンケートポイント」「マイショップ入会ポイント」「宅配返却サービスポイント」をはじめとする各種施策によるポイントの付与が行われる。そのほか、提携企業のサービスからのポイント移行、DCMXカードからのポイント移行に対応し、「dマーケット」の利用金額にも応じてポイントが付与される。

KDDIが実施している「auポイントプログラム」では、毎月の請求額100円につき1ポイントが付与され、付与率は1%で一律となっている。キャンペーンによる特別ポイントの付与も行われ、入会時および、その後1年ごとにアンケートに回答することでポイントを貰えるキャンペーンなどが実施されている。そのほか、提携企業のサービスからのポイント移行に対応し、「auスマートパス」「auかんたん決済」、固定回線の利用に応じたポイント付与も行われる。

ソフトバンクの「ソフトバンクポイントプログラム」は、毎月の請求額1,000円につき10ポイントが付与される付与率1%の「ポイントコース」のほか、抽選でホワイトプランの基本使用料が1年間無料となる「抽選で基本料無料コース」を選べるのが特徴。なお、抽選で基本料無料コースを選んだ場合、抽選結果に関係なく、請求額に応じたポイントの付与がなくなる。また、ボーナスポイントは、特定のオプションへの加入時、スクラッチゲームに当選したときなどに貰うことが可能。また、クレジットカードの「SoftBankカード」や提携企業のサービスからのポイント移行にも対応する。

各社のポイントプログラムの特徴はさまざまだが、特筆すべきは、ドコモプレミアクラブにおける長期契約者の優遇だろう。他社では契約年数に関係なくポイント付与率が1%で一律となっているのに対し、ドコモプレミアクラブでは継続契約年数が10年以上で2%、15年以上で2.5%とポイント付与率が上昇する。たとえば、同一キャリアで10年以上契約しているユーザーの場合、毎月の支払い額が7,000円だとすると、今後5年間でもらえるポイントは、ドコモの場合が8400ポイント、他社の場合が4200ポイントとなり、1ポイントを1円で換算すると、約4,000円以上の差が出てくる。さらに、ドコモプレミアクラブの充実したキャンペーンのポイント付与を加えれば、他社との差がより広がるだろう。

各社の優待サービスにも注目!

ドコモのポイントプログラムであるドコモプレミアクラブでは、会員向け優待サービスとして「ドコモクーポン」を提供しており、2014年4月よりサービスが拡充されることが発表された。飲食店や行楽施設などをお得に利用できるクーポンを提供するサービスとなっているが、KDDIとソフトバンクもクーポンを提供する優待サービスを展開している。各社の優待サービスについて、詳しく見てみよう。

ドコモの「ドコモクーポン」が他社の優待サービスと大きく異なるのは、同サービスがポイントプログラムのドコモプレミアクラブ内で提供されている点だ。KDDIとソフトバンクは、それぞれポイントプログラムとは異なる有料会員制サービス内で優待サービスを提供している。ドコモプレミアクラブは月会費無料であるのに対し、KDDIの「auスマートパス」は月会費390円、ソフトバンクの「Yahoo!プレミアム」は月会費399円となっている。

2014年4月に拡充されるドコモクーポンでは、長期契約者向けの優待サービスが追加される。継続契約年数10年以上を対象とした「スペシャルクーポン」、15年以上を対象とした「プレミアムクーポン」が新設され、スペシャルクーポンでは、イオンシネマをはじめとする映画館や富士急ハイランドなどの遊園地、セントラルスポーツなどのスポーツクラブといった1,500カ所以上の施設を優待価格で利用できるクーポンが提供される。また、プレミアムクーポンでは、「JALのおもてなし空間」やユニバーサル・スタジオ・ジャパンのドコモ専用ラウンジを利用できる特典が、抽選で毎月50,000名以上に当たるクーポンが提供される。なお、DCMX GOLDカード会員は、契約年数に関わらず両クーポンを利用可能だ。そのほか、12月15日からは、ドコモプレミアクラブのすべての会員を対象とした。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのプレミアム貸切イベント、東京ディズニーシーの特別招待券が当たる優待キャンペーンが実施される予定となっている。

なお、ドコモ担当者によると、プレミアクラブの会員は5,320万人ほどおり、その半数がプレミアステージ(10年以上利用)会員以上だという。よって、今回のサービス拡充により、多くのドコモユーザーがクーポンを利用できるようになる。新規契約者・MNP利用者を対象としたものなど新規の顧客向けの施策が多い中、「長期利用者への還元をしたい」との考えから今回の施策を提供したそうだ。

このほかドコモでは、日本航空が同社のJALマイレージバンクで提供する「JALマイル」とドコモポイントの相互交換を開始することも明らかにしている。相互交換の対象となるのは、15年以上利用しているグランプレミアステージのユーザーもしくは、DCMX/DCMX GOLDの契約者。ドコモポイントからJALマイルに交換する場合は、5,000ポイントを2,500マイルに交換できる。JALマイルをドコモポイントに交換する場合は、10,000マイルを10,000ポイントに交換できる。

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スマートフォンや携帯電話を使っていても、ポイントプログラムや優待サービスを活用しきれていないという人も多いだろう。本稿で紹介した通り、携帯各社は独自のポイントプログラムや優待サービスを展開しており、とりわけ長期契約者の優遇が手厚いドコモプレミアクラブは、ドコモを長年利用しているユーザーにとっては嬉しいサービスだ。毎月の支払い額を確認する際はポイントもあわせて確認し、ポイントプログラムや優待サービスをぜひ活用してみてはいかがだろうか。