説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneにも「クアッドコアCPU」が搭載されたほうがいい?」という質問に答えます。

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CPUの「コア」とは、演算などプログラムの処理を行う部分で、人間でいえば頭脳に相当します。コア数が多いほうがスペック的には有利で、コアが1基のシングルコア、2基のデュアルコア、4基のクアッドコア……とコア数に応じて処理性能は増します。

ただし、CPUの処理性能はコア数に正比例するわけではありません。コアそのものの性能(○.○GHzといったクロック数で表されます)がありますし、並列処理が速度に直結するようなプログラムばかりではないからです。シングルコアのiPhone 4のCPU(Apple A4)に対し、その後継モデルiPhone 4SではデュアルコアCPU(Apple A5)が採用され、発表時には「演算性能は最大2倍」とうたわれましたが、システム全体の処理性能やアプリの速度はiPhone 4の2倍とはなっていません)。

現行機種のiPhone 5は、デュアルコアCPUの「Apple A6」を採用しています。一方、2013年夏モデルとして登場したAndroid端末は、「Galaxy S4」や「Xperia A」など軒並みクアッドコアCPUを搭載しています。技術トレンドからすると、iPhone 5の後継機種にもクアッドコアCPUが採用されることは自然な流れです。

次期iPhoneにも「クアッドコアCPU」が採用されれば、2倍速とはいかないまでも、システム全体の処理性能は向上することでしょう。しかし、コア数が増えれば電力消費量は増加して発熱量も増え、バッテリーの減りも速くなります。結局はトータルでの「使いやすさ」が重要なのですから、いたずらにハードウェアスペックを意識せず、バランスのいい端末であり続けてほしいものです。

写真で解説

iPhone 5には、デュアルコアCPU「Apple A6」が搭載されています。次期モデルはクアッドコア化が予想されていますが、重要なのは全体のバランスです