個性的なイラストやエッセイを生み出すみうらじゅん×リリーフランキーのコラボレーションは、ふたりの個性がせめぎ合うインスタレーション作品。8年間にわたって雑誌「SPA!」で連載されている「グラビアン魂」が誌面から飛び出し、具現化した内容となっている。大人しか入ってはいけない気持ちにさせられるのれんの向こうには、めくるめく"グラビアの世界"が広がっていた。

ブース内には触って感じることのできる展示もあるのだが、それに関しては現場で確かめてみてほしい

田名網敬一×伊藤桂司のコラボ作品は、アーティスト同士の共同作業となった。今回の制作のベースとなったのは、田名網敬一のアトリエから偶然発見された、40年前に制作された未発表作品。この作品をベースに、独特のコラージュ作品で知られる伊藤桂司と田名網敬一が新たなコラージュを加え、この企画のためだけの作品として構成した10点が公開されている。

田名網敬一×伊藤桂司のコラージュ作品は、大きなキャンバスを舞台に複数枚の作品群で構成されていた

最後に紹介するのは、蜷川実花×チームラボのインタラクティブな作品。チームラボが開発したプロダクト「チームラボカメラ」をベースとしたもので、デジタルサイネージの前に立った鑑賞者の動きに沿って、ランダムにデコレーションが施される。デコレーションに使われているオブジェクトは、すべて蜷川実花が監修。撮影された写真は、Facebookにアップロードされるため、さまざまな人がこの作品を楽しんでいる様子をSNS上でも体感することができる。

デジタルサイネージの前に立っている時の動きで「キラキラ」したエフェクトなどが広がり、蜷川実花的な世界観が形作られる仕掛けが施されている

「シブパル展。」は、参加クリエイターの顔ぶれの豪華さもさることながら、「コラボレーション」という展覧会テーマにふさわしく、この場だからこそ生まれたと思える作品ばかりが展開されており、非常に見応えのある内容となっていた。3月15日~4月1日と内容に比して短い会期だが、今、最前線で活躍するクリエイターの仕事を間近に見られる格好の機会なので、ぜひとも足を運んでみてほしい。