ここからは今回の東京ゲームショウを総括する形で、独自の視点から内容を振り返っていきたい。各種報道ではスマートフォン向けのソーシャルゲームを真っ先に取り上げる媒体がやはり多く見られたが、コンシューマー向けの出展作を眺めると『モンスターハンター4』『メタルギアライジング リベンジェンス』『龍が如く5』といった人気シリーズの最新作がしっかりと出そろい、スマホへの急激な転換と言うよりは、共存が進んできた印象。

斬る爽快感を徹底的に追求した『メタルギアライジング リベンジェンス』(コナミ)

会場全体の目玉となった『モンスターハンター4』(カプコン)

ゲームショウではおなじみの顔『龍が如く5』(セガ)

その流れと並行して、国内メーカーが国内ユーザーに特化したコンテンツを提供する独自路線、いわゆるガラパゴス化は顕著に表れる形となった。例年どおり任天堂が出展しないことに加えて、今年はマイクロソフトも出展を行わず、実質Xbox360専用タイトルはほぼ見当たらない寂しい状況。

海外大手メーカーのユービーアイソフトやEAも、他社のブース内で新作の出展を行い、『コールオブデューティ ブラックオプスII』『FIFA13』などの超大型タイトルも今回比較的おとなしいアピールに留まった。海外のゲームシーンの溝がいっそう深まった――というよりは、もともと業界関係者とコアゲーマー以外はそうした温度差自体に興味がないと言ったほうが実情に近いのかもしれない。

海外からの来場者も多く足を止めていた『FIFA13 ワールドクラスサッカー』(EA)

海外チームが開発を手がけた『ロストプラネット3』(カプコン)

セガブースでは海外の新作も多数展示。EAの『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』(セガ)

もちろんガラパゴス化それ自体は悪いことではなく「日本ならではの独自路線」とポジティブに言い換えることもできる。世界的に見ると特殊な状況のなかで、どんな日本らしいゲームが飛び出してくるかは大いに期待したいところだ。……続きを読む