おそらく、アプリケーションストアは、システム(オペレーティングシステム)ごとに最終的には集約され、その中で淘汰が行われ、生き残れるオペレーティングシステムとそうでないオペレーティングシステムが出てくることになるだろう。

今回のMWCでは、IntelとNokiaがMoblinとmaemoを「MeeGo」として一体化したのは、こうした状況に対処するためではないかと思われる。maemoは、もともとノキアの携帯電話機能を持たないインターネットタブレット(N700、N800、N810など)用だったが、最新のN900では携帯電話機能を搭載し、スマートフォン用に衣替えした。しかし、携帯電話業界では大手とはいえノキア1社のみの展開だ。これに対して、Moblinは、IntelがMID用として開発し、今年登場予定のMoorestown(Atom系のプロセッサを採用)でようやくスマートフォンサイズでの展開が可能になる。NokiaとLGは、このMoorestownでスマートフォンを開発中だ。だが、やはり早くても年内の登場では、タイミング的にはかなり後発となってしまう。そこで、IntelとNokiaは、共同でアプリケーション開拓にあたることになったのだと思われる。

また、今回、会場では、アーキテクチャとしてはAndroidが目立った。すでにニュースにもなったSony Ericssonのほか、Motorola、Samsung Electronicsなどが新製品を投入。また、ZTEやHuaweiなども参入しているし、HTCもAndroidをラインアップしている。展示された端末の種類だけをみれば、スマートフォンでは、Androidが一番多く、すでに一大グループを構成したようだ。中には、Samsungの独自プラットフォームやHTCのSmartのようにBrew MPなどを採用するところもある。

MotorolaのBACKFLIP。Android採用のスマートフォンで、液晶を通常とは反対側に折りたたむとタッチパネル型、折り返すとフルキーが利用できる。このほか、モトローラは、数種類のAndroid端末を展示

HuaweiもAndroid搭載の携帯電話を出品、数機種を展示していた。このほかZTEのブースなどにもAndroid端末が展示されていた

HTC社は低価格なスマートフォンとしてQualcommのBrew MPを採用したスマートフォンHTC Smartを発表

SamsungのWAVEは、独自プラットフォームのスマートフォン。SDKが提供されアプリケーション開発が可能。同社は、このほか、Windows MobileやAndroidプラットフォームのスマートフォンも手がけている