強化されたアイテム検索

インタフェースや操作系での新機能では、検索機能の強化が挙げられる。タイムラインパネルに追加された検索のテキストフィールドでは、レイヤーに含まれる様々な要素を検索することができる。

例えば、各レイヤーの位置プロパティだけを表示したい場合は、テキストフィールドに「位置」と入力すれば、各レイヤーの位置プロパティだけが展開されて表示される。また、使用しているエフェクトなども検索が可能だ。個人で制作を行っている場合は、コンポジションの構造の把握は問題ないが、複数の人がひとつのコンポジションに携わる場合は、構造を把握するのが困難になる場合が多い。この検索機能を実際に作業で使用してみると、作業上で、自分の必要なプロパティやフッテージに簡単にアクセルできるようになるので非常に便利だ。

テンプレートを編集するためタイムラインの検索テキストフィールドに「位置」と入力。レイヤーの位置プロパティだけが表示される

3Dレイヤーの強化

今回の一番大きな新機能は、Adobe Photoshop CS4 Extendedの3Dレイヤーから3Dモデルを読み込み、After Effectsの3Dレイヤー内で、3Dモデルにキーフレームを作成してアニメーションを作成できるようになったことだろう。これまで、3DCG素材をコンポジット内でフッテージとして使用するには、3DCGソフトで一度レンダリング処理をして、静止画やムービーファイルとして読み込むしか方法がなかった。CS4からはPhotoshopを経由しなければならないとはいえ、3Dモデルをフッテージとして扱えるようになった。これは非常に大きな変化だ。

Photoshopの3Dレイヤーを含むPhotoshopファイルは、コンポジションとして読み込むことによって、ライブPhotoshop 3DとしてAfter Effectsに読み込まれる。同時にPhotoshopファイルの3Dレイヤーでのカメラ情報が含まれている「カメラレイヤー」、ライブPhotoshop 3Dとして読み込まれた3Dレイヤーを回転させたり移動させたりするための「コントロールレイヤー」、それと3Dモデルが含まれるレイヤーがコンポジション内に作成される。それらを用いて、コントロールレイヤーのトランスフォーム各々のプロパティを変更することで、自由に3次元的に回転、移動をおこなうことが可能だ。また、この読み込まれた3Dモデルには、After Effectsに用意されているエフェクトを適用することができ、色調補正系のエフェクトはもちろん、ディストーションやブラーなどのエフェクトを適用した状態でも3Dモデルを移動回転させて、アニメーションを作成することができるようになっている。

PhotoshopCS4 Extendedの3DレイヤーをAfter Effectsに読み込んだもの。カメラレイヤーやコントロール用のレイヤーが自動的に作成される

読み込まれた3Dモデルのレイヤーにコロラマとブラー(ガウス)エフェクトを適用したところ。輪郭が変化するようなブラーも適用可能だ

後編では、「カートゥーン」エフェクトや、同梱されているトラッキングツール「mocha」について紹介していく。