売上高は前年同期から4%増加したが、純利益は61%と大きく減少した。1株あたり利益は0.29ユーロ。Nokiaは今年1月に独ボーフム市にある工場閉鎖を発表、今月初めに労組らと合意している。今期、同工場閉鎖に関連した費用(2億5,900万ユーロ)やリストラ費用を特別項目として計上しており、計上前の利益は前年同期比8%増の13億6,500万ユーロ、1株あたり利益は0.36ユーロとしている。

分野別に見ると、デバイス・サービス部門の売上高は前年同期比1%減の91億ユーロだったが、このうち、同社が力を入れているサービス・ソフトウェアは同42%増の1億1900万ユーロとなった。ネットワーク部門の合弁会社Nokia Siemens Networksは、前年同期比18%増の41億ユーロだった。

携帯電話では同期、ビジネス向けの「Nokia E71」、マルチメディアの「Nokia N78」などの機種の発売を開始した。同期の出荷台数は、前年同期比21%増の1億2,200万台となった。Nokiaでは、同期の業界全体の携帯電話出荷台数を3億300万台と見積もっており、自社シェアを推計40%としている。シェアは前年同期の38%、前期(2008年第1四半期)の39%からそれぞれ伸びたことになる。だが、平均販売価格(ASP)は74ユーロとなり、前年同期の90ユーロ、前期の79ユーロから下がった。

地域別に見ると、中国を除くアジア太平洋地区が最も好調で前年同期比42.2%増加し、3,640万台を売り上げた。次に増加率が高いのは南米で、前年同期比39.1%増の1,530万台。そして、中近東/アフリカ地区の23.4%増、中国の10.7%増と続いており、途上国市場で販売台数を増やしていることがわかる。成熟市場の欧州地区は、2,710万台と横ばいだった。

サービス・ソフトウェアでは同期、ノルウェーTrolltechの買収完了を発表している。また、オンライン音楽ストア「Nokia Music Store」を6カ国でオープンしたほか、ゲームサービスとして「N-Gage」の提供も開始した。「Nokia Maps 2.0」もリリースしており、すでに40万以上のダウンロードがあったという。

業界全体の見通しについて、Nokiaでは2008年の世界携帯電話市場を前年比10%またはそれ以上の増加としている。