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2024年は一時的な株式市場の混乱はあったものの、金融ショック的な出来事は発生せず、日米いずれも株式市場は上昇を見せました。2024年の株式市場を簡単に振り返るとともに、2025年の注目ポイントを解説します。

( Money )

日米ともに株価上昇、2024年の株式市場を振り返る

DEC. 31, 2024 11:00 Updated DEC. 26, 2024 16:18
Text : 石井僚一
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2024年は一時的な株式市場の混乱はあったものの、金融ショック的な出来事は発生せず、日米いずれも株式市場は上昇を見せました。2024年の株式市場を簡単に振り返るとともに、2025年の注目ポイントを解説します。

  • ※画像はイメージ

一時的な波乱はあったが上昇を見せた2024年の国内株式市場

2024年は国内では衆院選での自民党の大敗、海外では米大統領選挙でトランプ前大統領の勝利など、政治的に大きなインパクトのある出来事が発生しました。一方、株式市場では金融ショックのような出来事は生じていません。7月末の日銀の利上げ後に一時的な混乱はありましたが、国内株式市場全体としては上昇の1年となりました。

2024年の年足は上下にヒゲのある陽線となり2年続けて陽線に

2024年の日経平均を振り返ってみましょう。年後半は40,000円を前に値動きが停滞しましたが、年足を見ると上下にヒゲのある陽線を形成。7月後半の日銀の利上げ前に一時42,000円に到達したものの、日銀の利上げ後の混乱で31,000円台まで下落しました。しかしその後は上昇して、40,000円を目前とする水準まで回復しました。7~8月の混乱が月足の上下のヒゲに記録されています。しかし月足は陽線であり、2024年は年間としては上昇して取引を終える見込みです。なお、2023年も日経平均の年足は陽線のため、2年連続の陽線がほぼ確定です。

グロース市場は低迷続く

日経平均の年足は2年連続の陽線で堅調に推移しているものの、東証グロース250指数(グロース指数)の2024年の年足は陰線を形成。2021年から4年連続の陰線となる見込みです。また2020年の安値も更新しました。

安値更新はあるものの、2024年は2023年までと比べ下げ止まりは見られます。ただしグロース指数は低迷が継続中です。国内株式市場は、グロース株より大型株に注目が集まる状態が続いています。IPOの件数は前年並みの数字で推移していますが、投資資金は依然としてグロース銘柄に向かっているとは言いがたい状態です。

米株価主要3指数は揃って上昇

米株式市場を見てみましょう。2024年の米株式市場はダウ平均・S&P500・ナスダック総合指数の主要3指数が揃って高値を更新しています。急速な上昇という状態ではないものの、米株式市場は年間を通じて堅調に推移しました。

近年は国内投資家からも、米国株や米国株を組み入れた投資信託への投資が注目されています。2024年に米国株へ投資した投資家のパフォーマンスは、国内特化型の投資家を上回ったと言えるでしょう。

米株式市場の上昇を背景に、オルカン(オールカントリーの略)と呼ばれ近年急速に注目を集めている全世界型の株式投資信託の投資パフォーマンスも良好です。

インデックス投資など資産運用メインの投資家にとっても、2024年は良好なパフォーマンスが得られた1年となりました。

大きく上昇した金とビットコイン

2024年は金の上昇がクローズアップされる機会が多くなりました。金価格(国内先物の中心限月)は9,000円台半ばで取引を開始した後、12,000~13,000円台で取引を終える見込みです。また年足チャートが6年連続陽線となる中で、2024年の上昇は突出。2024年の金価格チャートを見ると、金の上昇が話題となる機会が多くなったのも納得できます。

また、ビットコインの価格(円ベース)も年初の600万円前後が12月には一時1,700万円台に到達するなど大きく上昇しました。ビットコインに親和的な政策を行うと見られたトランプ前大統領の大統領選での勝利を契機に、ビットコインは上昇に勢いが付く形となっています。

2024年の上昇率という観点では、金やビットコインの伸びが顕著です。

2025年の金融市場のポイント

2024年9月に米FRBは利下げを開始しました。年初に5.50%あった上限金利は4.50%まで引き下げられています。2025年も米国は利下げが続くと予想されます。利下げを織り込む形で、年後半の米株式市場は上昇する形となりました。利下げは株式市場にとっては追い風の政策となるため、2025年の米株式市場も堅調な推移が予想されます。一方、国内株式市場は日銀の利上げの可能性があり、横ばいの可能性が否定できません。

また、2025年は1月にトランプ政権が発足します。株高政策を採ると予想されるトランプ政権下、パンデミックなどの危機が生じなければ、2025年も株式市場は米国株を中心に上昇が続く可能性があります。

トランプ政権下で積極的な財政政策が行われて、米国でインフレが再燃する懸念はあります、しかし利下げは、米株式市場にとって追い風です。米株に比べると上昇が鈍い国内株式市場は米株式市場に追いつく値動きを見せるのか、2025年の日米の株式市場の行方が注目されます。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。