この記事では、敷布団の寿命や買い替えなどついて解説します。
特に、敷布団の寿命の目安・寿命を判断する方法や、敷布団の買い替えと打ち直しはどちらが得かなど、毎日使っていても意外と知らない敷布団の疑問点について詳しく説明していきます。
敷布団はカビやダニが生えたら寿命?
30年前の使ってない敷布団は使える?
このように、古くなってきた敷布団の替え時は判断が難しく、まだ使い続けても大丈夫なのか悩んでしまう場合もありますよね。
本記事を参考に、敷布団の寿命をしっかり見きわめ、必要であれば買い替えなども検討してみてください。
【素材別】敷布団の寿命の目安

はじめに、素材別に敷布団の寿命の目安を解説します。
敷布団の素材にはいろいろな種類がありますが、今回は最も一般的な綿(コットン)、羊毛(ウール)、ウレタン、ポリエステルについて調べました。
敷布団の寿命はそれぞれの素材の性質によって決まります。
日頃から敷布団の状態の変化に注意して、寿命のサインを見逃さないようにしましょう。
綿(コットン)は約3年
綿(コットン)の敷布団の寿命は約3年ほどです。
つぶれて硬くなってきたり、いわゆる「せんべい布団」の状態になったら寿命と考えていいでしょう。
綿(コットン)の敷布団の場合は、寿命がきても打ち直しをすることで硬さが解消されますが、打ち直しには費用や時間がかかります。
【綿の敷布団の打ち直し】
昔から綿の敷布団の打ち直しは3年に1度が目安とされ、作業には2週間から1か月ほどかかります。
素材である木綿自体の寿命はおよそ80年と長いため、綿の敷布団は繰り返し打ち直しをしていけば一生使えると言われています。
購入して3年ほどしたら、買い替えるか打ち直しをするか、一度検討してみましょう。
綿の敷布団はクリーニングに出すこともできます。
まだへたりはなく、汚れだけの問題であれば、クリーニングをしてまた使い続けられます。
羊毛(ウール)は約3~6年
羊毛(ウール)の敷布団の寿命は約3~6年です。
羊毛の敷布団は軽くて弾力性に優れている一方で、1度へたると元に戻りにくい性質のため、へたりがでてきたら買い替えのサインと考えましょう。
ただし、羊毛という素材自体の寿命は100年以上といわれており、羊毛布団はあらたに綿わたを1~2割混ぜることで打ち直しも可能です。
また、羊毛の敷布団も、綿の敷布団と同様にクリーニングに出すことができるので、「汚れがあるけれど、まだへたりはない」という段階であればクリーニングを利用してみるのもいいでしょう。
ウレタンは約5~10年
ウレタン素材の敷布団の寿命は約5~10年で、へたりが出てきて、腰のあたりがへこむなど、使用感が悪くなってきたら買い替えの時期と考えましょう。
ただ、ひとくちにウレタン素材といっても、高反発ウレタンと低反発ウレタンでは耐久性が違い、また、品質によっても寿命にはかなり差があります。
高反発ウレタンの敷布団は、ウレタンの硬さ(単位:ニュートン)が寿命の目安になります。
・100ニュートン未満:2年程度
・150ニュートン未満:3年程度
・200ニュートン以上:5年程度
また、一般的に、ウレタン密度が高いものほど寿命が長い傾向です。
低反発ウレタンの場合は、もともと重みがかかれば沈み込みやすい素材なので、へたりがきたのか判断しにくいこともあります。
ポリエステルは約3~5年
ポリエステルの敷布団の寿命は約3~5年と言われていますが、素材によっては早くへたるものもあり、低価格のものほど寿命が短いことが多いです。
へたりが目立つようになり、寝心地にも影響するようになったら買い替えのサインです。
ポリエステルの敷布団の寿命は使用する糸の太さと関係していて、糸の太さ(単位:デニール)が細いものほど寿命は短めです。
【ポリエステル敷布団の糸の太さと寿命の例】
- 糸の太さが6デニール以下:3か月程度
- 糸の太さが13デニール:2年程度
また、ポリエステルの密度が高く、厚みのあるものほど長持ちします。
打ち直しについては、元からのポリエステルに綿わたを混ぜれば可能です(ポリエステル100%のものをそのまま打ち直しすることはできません)。
敷布団の寿命を判断する方法

ここからは、敷布団の寿命を判断する方法を解説していきます。
敷布団は、へたり・底付き感・腰部分のへこみなどが現れたり、とれない汚れや臭いが気になりはじめたら寿命が考えられます。
寿命を迎えた敷布団は寝心地が悪くなったり、時には腰痛を引き起こしたりと、睡眠の質の低下につながります。
敷布団の寿命をしっかり判断し、適切な時期に買い替えるなどして、健康的な睡眠環境を保ちましょう。
購入したときよりへたっている
敷布団が購入時に比べてへたってきたら、そろそろ寿命かもしれません。
敷布団の「へたり」とは、同じ場所に毎日体重がかかることで中の繊維がつぶれたり、からみあったりして、厚みが薄くなってしまう状態のことです。
また、湿気も敷布団がへたる原因になり、汗や部屋の空気中の水分などで日常的に湿っぽくなっている敷布団はへたるのが早くなります。
へたりがひどくなった敷布団で寝ると、腰に痛みが出たり、繊維の保温力が失われるために寒く感じることもあり、安眠できなくなってしまいます。
また、へたった敷布団は体圧が分散がされにくいので、寝返りしづらく、身体にも負担がかかるため、無理して使い続けるのはやめましょう。
底つきしている感覚がある
時間とともにへたりが進行すると、底つき感を感じるようになります。
「底つき感」とは、敷布団の厚みが薄すぎて、睡眠中に身体が敷布団の下の床を感じてしまうことです。
底付き感を感じるほどつぶれた敷布団を元のようにふっくらさせることは難しいため、買い替えか打ち直しを考えましょう。
また、比較的新しいものでも、耐久性の低い敷布団の場合はへたりや底付き感が出るのが早く、安価で品質の低い敷布団ほどその傾向が強いです。
腰の部分にへこみがある
敷布団の腰の部分にへこみがある場合も寿命がきていると考えましょう。
腰は身体の中でも特に重さがあるので、毎日腰が当たる部分は敷布団の繊維が圧迫されて、だんだんへこんでいきます。
そして、腰部分がへこむことで、腰が沈みこんで寝姿勢が崩れ、寝返りが打ちづらくなったり、腰痛など身体の不調につながることも。
敷布団のへこみは最初のうちは気づきにくいこともありますが、お尻部分を手のひらで押してみると、他の部分とは感触が違い、へこみがわかると思います。
黄ばみなどの汚れが取れない
黄ばみなどの汚れが取れなくなった敷布団も寿命といえます。
敷布団の黄ばみは皮脂や汗などのたんぱく質汚れの酸化が原因で、時間の経過とともに徐々に黄ばんでくるため、気づかないうちにシミになっていることがあります。
中性洗剤や酸素系漂白剤・重曹などを使って落とせることもありますが、あまりに古い黄ばみを落とすのは困難です。
敷布団の黄ばみ汚れが落ちない場合は、寿命と思ってあきらめましょう。
敷布団を少しでも長く使うためには、早めに汚れに気づいて処置することが大切です。
汚れに気づいたら、洗剤や濡れタオルなどを使って自分で除去するか、クリーニングに出しましょう。
敷布団カバーや敷パットなどを使用すると、汚れが直接敷布団につかないので、敷布団を長持ちさせる効果があります。
臭いが気になり始めた
臭いが気になり始めた場合も、敷布団の寿命を疑いましょう。
臭いといっても、香水・整髪料などの臭いがついている程度なら、敷布団を干したり、クリーニングに出したりすることでたいていは解決できます。
問題なのは汗や皮脂などの蓄積した臭いやカビの臭いがする敷布団で、不衛生で健康上よくないため、そのまま使用し続けるのはやめましょう。
特に、カビ臭がする場合は、目に見える範囲にカビが見当たらなくてもどこかでカビが発生しているということなので、要注意です。
敷布団にカビやダニが発生したら寿命?

カビやダニが発生した敷布団はもう使用できないのか考えてみましょう。
一般的に、敷布団は専門業者に洗浄してもらうことで、汚れはもちろん、カビやダニまで除去することが可能ですが、かなりクリーニング費用がかかってしまいます。
敷布団を宅配クリーニングに依頼する場合の費用は、シングルサイズで5,000円ほどが相場ですが、素材やサイズによっては受け付けてもらえないこともあります。
期間は2週間以上かかるため、その間に使用する敷布団も必要です。
敷布団にカビが生えてしまった場合は自宅で除去する方法もありますが、素材ややり方によっては色落ちや変色のリスクも。
自分で作業する手間や失敗のリスク、クリーニング費用などを考えると、敷布団の価格によっては買い替えを検討するのもいいでしょう。
敷布団の買い替えと打ち直しはどっちがお得?

敷布団の寿命がきてしまった場合は、買い替えか打ち直しのどちらがお得なのか、気になるところですよね。
【打ち直し費用の目安】
シングル | セミダブル | ダブル |
---|---|---|
7,500円~11,000円 | 9,000円~12,000円 | 10,000円~15,000円 |
上の表から、打ち直し費用と敷布団の価格を考えてみると
- 高価な敷布団なら、敷布団の購入価格より打ち直し費用のほうが安いため、打ち直す価値はある
- 安価な敷布団を打ち直しに出すと、敷布団の価格と同程度かそれ以上の費用がかかる可能性もある
ということがわかります。
いずれにせよ、打ち直しを依頼する場合は費用の問題だけでなく、専門業者を探したり、発送準備の手間がかかったりと面倒なこともあります。
よほどこだわりのある敷布団の場合は別ですが、基本的には打ち直しよりも買い替えを検討したほうがいいでしょう。
【敷布団の打ち直しとは?】
敷布団の打ち直しは、汚れや劣化などで使用できなくなった敷布団の中身を洗浄・乾燥・殺菌・補充し、清潔でふっくらした、新品のような状態に仕立て直すことです。
一般的に、綿・羊毛・ポリエステル素材の敷布団は打ち直し可能なものが多いです。
敷布団寿命のよくある質問・Q&A

まとめ
この記事では、敷布団の寿命やカビやダニが発生したときの買い替えについて解説しました。
敷布団の寿命の目安・寿命を判断する方法、敷布団の打ち直しについてなど、敷布団の気になる疑問点も詳しく取り上げました。
敷布団の替え時は判断が難しいため、ついつい寿命を過ぎた敷布団を使い続けてしまうことも多いでしょう。
しかし、劣化の進んだ敷布団で寝ていると健康を害することもあるので、寿命がきた敷布団は思い切って買い替えることをおすすめします。