- スワップ投資のFX会社選びは「高スワップ」「低スプレッド」の2点が最重要
- ポジションを保有するだけで毎日利益が貯まる「不労所得」が実現できるのが、スワップ投資最大の魅力
- 最大の注意点は、スワップ利益が吹き飛ぶほどの「為替変動リスク」
銀行に預けても増えない預金や将来のお金の不安を解決する方法として、給与以外の収入源を求める人が増えている。
その中でもFXの「スワップポイント投資」は、日々の値動きに一喜一憂することなく、保有するだけで利益が積み上がる堅実な方法だ。
本記事では仕組みやリスク管理、FX会社の選び方まで徹底解説し、2025年最新データをもとに厳選したおすすめFX会社ランキングを紹介する。
主要FX会社スワップポイント比較一覧表


以下は、主要な高金利通貨ペアにおける各社のスペックを比較したものである。
自分にとってどの会社が最も有利になるか、客観的なデータで確認してほしい。
詳しくは後の段落で解説する。
みんなのFX | LIGHT FX | GMO外貨 | SBI FXトレード | MATSUI FX | LION FX | 外為どっとコム | GMOクリック証券 | トライオートFX | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 164円 | 162円 | 164円 | 162円 | 154円 | 160円 | 155円 | 162円 | 140円 |
ユーロ/円 | 120円 | 120円 | 120円 | 114円 | 59円 | 100円 | 120円 | 117円 | 110円 |
ポンド/円 | 222円 | 220円 | 225円 | 212円 | 176円 | 212円 | 220円 | 218円 | 200円 |
トルコリラ/円 | 40円 | 35円 | 36円 | 35円 | 35円 | 35円 | 36円 | 40円 | 39円 |
南アランド/円 | 17円 | 14円 | 14円 | 14円 | 14円 | 14円 | 14円 | 19円 | 14円 |
メキシコペソ/円 | 21円 | 16円 | 21円 | 15円 | 15円 | 15円 | 15円 | 22円 | 17円 |
※すべて1万通貨あたり、2025年7月14日時点のデータ
スワップポイント比較!FX会社選びで失敗しないための3つの軸


スワップポイント投資の成否は、パートナーとなるFX会社選びでその大半が決まると言っても過言ではない。
しかし、数多くのFX会社が存在する中で、何を基準に選べば良いのか迷ってしまうだろう。
ここでは、スワップ投資という目的に特化し、失敗しないためのFX会社選びの「3つの比較軸」を解説する。
スワップポイントの高さ(最重要)
当然ながら、最も重要な比較軸は「スワップポイントの高さ」である。
同じ通貨ペアであっても、受け取れるスワップポイントの額はFX会社によって微妙に異なる。
これは、銀行間取引で提示される金利に、各社が自社の利益や方針を上乗せして顧客に提供しているためだ。
たとえ1日あたりの差はわずかでも、長期で運用すればその差は無視できない金額になる。
スワップポイント投資を主目的とするならば、主要な高金利通貨ペアにおいて、常に業界最高水準のスワップを提供している会社を選ぶことが絶対条件となる。
スプレッドの狭さ(取引コスト)
スプレッドとは、通貨を売るときの価格(Bid)と買うときの価格(Ask)の差のことであり、これが投資家にとっての実質的な取引コストとなる。
スプレッドは狭ければ狭いほど、投資家にとって有利である。
スワップポイント投資は長期保有が前提のため、短期売買ほどスプレッドの重要性は高くないと考えられがちだ。
しかし、最初にポジションを保有する際や、将来的に利益確定をする際には、必ずこのコストが発生する。
また、相場の急変時にスプレッドが大きく広がる会社もあるため、原則固定で、かつ業界最狭水準のスプレッドを提示している会社を選ぶことが望ましい。
通貨ペアの種類(特に高金利通貨)
スワップポイント投資の対象となるのは、主に金利の高い新興国の通貨である。
したがって、FX会社を選ぶ際には、自分が投資したいと考えている高金利通貨のペアを扱っているかどうかが重要になる。
特に人気の高い「メキシコペソ/円(MXN/JPY)」「南アフリカランド/円(ZAR/JPY)」「トルコリラ/円(TRY/JPY)」といった通貨ペアを扱っていることは必須条件と言える。
さらに、これら以外の高金利通貨(ハンガリーフォリント、チェココルナなど)も扱っている会社であれば、分散投資の選択肢が広がり、より有利となる。
【2025年最新】FXスワップポイント投資におすすめのFX会社9選


それでは、先ほど紹介した基準に基づき、2025年6月時点でおすすめできるFX会社を9社紹介する。
各社の特徴を比較し、あなたの投資スタイルに最適なパートナーを見つけてほしい。
高水準スワップ&低コスト!総合力で選ぶならこの3社
◆みんなのFX(トレイダーズ証券)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 164円 | 1,000通貨 | 約59,860円 |
ユーロ/円 | 120円 | 1,000通貨 | 約43,800円 |
ポンド/円 | 222円 | 1,000通貨 | 約81,030円 |
トルコリラ/円 | 40円 | 1,000通貨 | 約14,600円 |
南アランド/円 | 17円 | 1,000通貨 | 約6,205円 |
メキシコペソ/円 | 21円 | 1,000通貨 | 約7,765円 |
トレイダーズ証券の「みんなのFX」は、主要な高金利通貨ペアにおいて業界最高水準のスワップポイントを提供している。
スプレッドも狭く、取引コストを徹底的に抑えたいトレーダーに最適だ。
また、人気の高機能チャート「TradingView」を無料で利用できる点も大きな魅力。
初心者向けの学習コンテンツやサポート体制も充実しており、これからFXを始める人から上級者まで、幅広い層におすすめできる総合力の高いFX口座である。
- 業界最高水準のスワップポイント・低スプレッド
- 人気の高機能チャート「TradingView」が無料で使える
- 1,000通貨の少額から取引可能で初心者も安心
- 「通貨強弱」など独自の便利ツールが豊富
- 充実した学習コンテンツとサポート体制
◆LIGHT FX(トレイダーズ証券)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 162円 | 1,000通貨 | 約59,130円 |
ユーロ/円 | 120円 | 1,000通貨 | 約43,800円 |
ポンド/円 | 220円 | 1,000通貨 | 約80,300円 |
トルコリラ/円 | 35円 | 1,000通貨 | 約12,775円 |
南アランド/円 | 14円 | 1,000通貨 | 約5,110円 |
メキシコペソ/円 | 16円 | 1,000通貨 | 約5,840円 |
「LIGHT FX」は、「みんなのFX」と同じトレイダーズ証券が運営しており、スワップポイントやスプレッドといった基本スペックはほぼ同等の最高水準を誇る。
よりシンプルさを追求した取引ツールが特徴で、「難しい操作は苦手」という初心者でも直感的に使いやすい。
基本スペックは「みんなのFX」と変わらないため、ツールの好みで選んだり、両方の口座を持ってリスクを分散したりする使い方も有効だ。
- 「みんなのFX」と同等の高スワップ&低スプレッド
- シンプルで直感的に操作できる取引ツール
- 1,000通貨から取引でき、初心者向け
- 信頼性の高いトレイダーズ証券が運営
- 電話サポートも充実
◆外貨ex(GMO外貨)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 162円 | 1,000通貨 | 約59,130円 |
ユーロ/円 | 120円 | 1,000通貨 | 約43,800円 |
ポンド/円 | 225円 | 1,000通貨 | 約82,125円 |
トルコリラ/円 | 36円 | 1,000通貨 | 約13,140円 |
南アランド/円 | 14円 | 1,000通貨 | 約5,110円 |
メキシコペソ/円 | 21円 | 1,000通貨 | 約7,665円 |
GMOインターネットグループが運営する「GMO外貨」は、スワップポイント・スプレッドともに業界トップクラスのスペックを提供するFX口座。
特に高金利通貨のスワップポイントに力を入れており、スワップ派のトレーダーから高い支持を集めている。
シンプルながらも必要な機能が揃った取引ツールは、初心者から中級者まで満足できる使い心地。
1,000通貨からの取引に対応しており、コストを抑えつつスワップ投資を始めたい人に最適な一社だ。
- 主要通貨ペアで最高水準のスワップポイント
- 業界最狭水準のスプレッドで低コストを実現
- 1,000通貨からの少額取引に対応
- GMOグループの信頼性と安定感
- シンプルで使いやすい取引ツール
1通貨からOK!超少額で始めたいならこの2社
◆SBI FXトレード
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 159円 | 1,000通貨 | 約58,035円 |
ユーロ/円 | 113円 | 1,000通貨 | 約41,245円 |
ポンド/円 | 206円 | 1,000通貨 | 約75,190円 |
トルコリラ/円 | 88円 | 1,000通貨 | 約32,120円 |
南アランド/円 | 67円 | 1,000通貨 | 約24,455円 |
メキシコペソ/円 | 176円 | 1,000通貨 | 約64,240円 |
「SBI FXトレード」の最大の特徴は、1通貨という業界最小単位から取引を始められること。
米ドル/円なら約5円の証拠金からFXを体験できるため、「いきなり大きな金額で取引するのは怖い」という初心者には最適な環境だ。
スワップポイントも業界上位の水準を維持しており、超少額からコツコツとスワップを貯めていく戦略が可能。
金融大手SBIグループが運営する安心感も大きな魅力である。
- 業界最小の1通貨から取引可能(約5円~)
- 少額でリスクを抑えながらFXを始められる
- スワップポイントも業界上位の高水準
- 金融大手SBIグループの安心感
- 初心者でも分かりやすいシンプルな取引画面
◆MATSUI FX(松井証券)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 150円 | 1,000通貨 | 約54,750円 |
ユーロ/円 | 75円 | 1,000通貨 | 約27,375円 |
ポンド/円 | 174円 | 1,000通貨 | 約63,510円 |
トルコリラ/円 | 78円 | 1,000通貨 | 約28,470円 |
南アランド/円 | 73円 | 1,000通貨 | 約26,645円 |
メキシコペソ/円 | 165円 | 1,000通貨 | 約60,225円 |
100年以上の歴史を持つ老舗「松井証券」が提供するFXサービス。
こちらも「SBI FXトレード」と同様に1通貨単位からの取引に対応しており、100円程度の少額からFXをスタートできる。
大手証券会社ならではの信頼性と充実したサポート体制が魅力で、投資が全く初めてという方でも安心して利用できる。
FXだけでなく株や投資信託など、将来的に他の金融商品への投資も考えている人におすすめだ。
- 1通貨単位、100円から始められる手軽さ
- 100年以上の歴史を持つ大手証券会社の信頼性
- 充実した電話サポートで初心者も安心
- FX以外の金融商品も同じIDで取引可能
- 見やすく使いやすいと評判の取引ツール
個性派・実力派!特定ニーズに応える4社
◆LION FX(ヒロセ通商)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 155円 | 1,000通貨 | 約56,575円 |
ユーロ/円 | 121円 | 1,000通貨 | 約44,165円 |
ポンド/円 | 211円 | 1,000通貨 | 約77,015円 |
トルコリラ/円 | 86円 | 1,000通貨 | 約31,390円 |
南アランド/円 | 73円 | 1,000通貨 | 約26,645円 |
メキシコペソ/円 | 142円 | 1,000通貨 | 約51,830円 |
「LION FX」の愛称で知られるヒロセ通商は、高水準のスワップ&スプレッドに加え、ユニークなキャンペーンで人気のFX会社。
毎月開催される食品プレゼントキャンペーンは特に有名だ。
取引ツール「LION FX C2」はカスタマイズ性が高く、プロのトレーダーも満足する高機能を誇る。
情報量も豊富で、実践的な取引をしながらFXの知識を深めていきたい人に最適な一社である。
- 毎月変わる豪華な食品プレゼントキャンペーン
- 高機能でカスタマイズ性の高い取引ツール
- スワップ・スプレッドも業界上位水準
- 豊富な情報コンテンツとマーケットレポート
- 1,000通貨からの少額取引に対応
◆外為どっとコム
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 158円 | 1,000通貨 | 約57,670円 |
ユーロ/円 | 125円 | 1,000通貨 | 約45,625円 |
ポンド/円 | 203円 | 1,000通貨 | 約74,095円 |
トルコリラ/円 | 86円 | 1,000通貨 | 約31,390円 |
南アランド/円 | 66円 | 1,000通貨 | 約24,090円 |
メキシコペソ/円 | 133円 | 1,000通貨 | 約48,545円 |
FX業界の老舗として知られる「外為どっとコム」は、初心者教育に非常に力を入れている会社だ。
FXの基礎から学べる豊富なレポートやオンラインセミナー、デモトレード環境が充実しており、「まずはしっかり勉強してから始めたい」という人に最適。
長年の実績に裏打ちされた安定したシステムと、手厚いサポート体制も魅力。
スワップポイントも安定して高い水準を提供している。
- FXの基礎から学べるレポートやセミナーが非常に豊富
- 初心者教育とサポート体制に定評のある老舗
- 安定したシステムと長年の運営実績による信頼性
- 1,000通貨から取引可能
- 豊富なマーケット情報で取引をサポート
◆FXネオ(GMOクリック証券)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 161円 | 1,000通貨 | 約58,765円 |
ユーロ/円 | 123円 | 1,000通貨 | 約44,895円 |
ポンド/円 | 209円 | 1,000通貨 | 約76,285円 |
トルコリラ/円 | 89円 | 1,000通貨 | 約32,485円 |
南アランド/円 | 67円 | 1,000通貨 | 約24,455円 |
メキシコペソ/円 | 196円 | 1,000通貨 | 約71,540円 |
FX取引高世界第1位(※)の実績を誇る業界のリーディングカンパニー。
その圧倒的な信頼性と、PC・スマホともに「使いやすい」と評判の高機能な取引ツールが最大の強みだ。
スワップポイントやスプレッドも高いレベルで安定しており、総合力は非常に高い。
ただし、最低取引単位が10,000通貨のため、ある程度のまとまった資金で取引したい中〜上級者向けの口座と言える。 (※ファイナンス・マグネイト社調べ 2012年1月~2023年12月)
- FX取引高世界No.1の実績と圧倒的な信頼性
- 使いやすさと高機能を両立した取引ツール
- 高いレベルで安定したスワップ&スプレッド
- 豊富なマーケット情報や分析ツール
- ある程度の資金で本格的に取引したい人向け
◆トライオートFX(インヴァスト証券)
通貨ペア | 買いスワップ (/日) | 取引単位 | 1年間の概算利益 (1万通貨) |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 140円 | 1,000通貨 | 約51,100円 |
ユーロ/円 | 110円 | 1,000通貨 | 約40,150円 |
ポンド/円 | 200円 | 1,000通貨 | 約73,000円 |
トルコリラ/円 | 39円 | 1,000通貨 | 約14,235円 |
南アランド/円 | 14円 | 1,000通貨 | 約5,110円 |
メキシコペソ/円 | 17円 | 1,000通貨 | 約6,205円 |
FXの自動売買サービスとして高い人気を誇るのが、インヴァスト証券の「トライオートFX」だ。
あらかじめ用意された取引戦略の中から、シミュレーション結果を参考に選ぶだけで自動売買を始められる「セレクト」機能が特徴。
「忙しくてチャートを見る時間がない」「感情に左右されずに取引したい」という人に最適。
また、自分でロジックを組みたい中〜上級者向けに、カスタマイズ性の高い「ビルダー」機能も用意されている。
仕事中や寝ている間もシステムがコツコツと利益を狙ってくれるのが最大の魅力だ。
- 選ぶだけで始められる簡単な自動売買(セレクト機能)
- 仕事中や睡眠中など24時間、感情に頼らず取引できる
- 過去のデータに基づいた豊富なシミュレーションから戦略を選べる
- オリジナルの自動売買プログラムも作成可能(ビルダー機能)
- 1,000通貨から取引可能
目的別おすすめFX会社の紹介
ここまで、おすすめのFX口座を紹介してきた。
しかし、選択肢が多すぎて決められない方もいるだろう。
そこで、少額から始めたい人向け、特定通貨のスワップポイントを狙いたい人向け、自動売買を活用したい人向けに、それぞれの目的に最適なFX会社を厳選して紹介する。
- 少額から始めたい人向け
- MATSUI FX
1通貨単位からの取引が可能で、約100円からでも始められる。まずはリスクを最小限に抑えてFXを体験してみたいという初心者に最適だ。
- MATSUI FX
- 南アフリカランド/円を狙うなら
- LION FX (ヒロセ通商)
特定の通貨ペア、特に南アフリカランド/円で業界トップクラスのスワップポイントを提示することが多い。食品キャンペーンなどもユニークで人気である。
- LION FX (ヒロセ通商)
- 自動売買も組み合わせたいなら
- インヴァスト証券 (トライオートFX)
優秀な自動売買プログラムを選んで稼働させるサービスが主力。スワップ収益と自動売買によるキャピタルゲインの両方を狙う戦略も可能だ。
- インヴァスト証券 (トライオートFX)
そもそもFXのスワップポイントとは?仕組みをわかりやすく解説


一言でいうと、スワップポイントとは「2つの国の通貨の金利差によって発生する利益(または損失)」のことだ。
銀行預金の利息のようなもの、とイメージすると分かりやすいだろう。
本章では、FX初心者の方でも理解できるように、スワップポイントの仕組みについて詳しく解説する。
スワップポイントの仕組み:なぜ金利差で利益が生まれるの?
世界中の国々には、それぞれ政策金利というものがある。
これは、その国の中央銀行が設定する、景気や物価を安定させるための基本的な金利である。
そして、この金利は国によって異なるのだ。
FXでは、常に2つの国の通貨ペア(例:米ドル/円)を売買する。
このとき、金利が低い通貨を売って、金利が高い通貨を買うと、その金利の差額を「スワップポイント」として受け取ることができるのだ。
具体例:メキシコペソ/円を買う場合
仮に、金利が非常に低い「日本円」を売って、金利が高い「メキシコペソ」を買うポジションを保有したとしよう。
- メキシコの政策金利:約11.0%(高金利)
- 日本の政策金利:約0.1%(低金利)
この場合、高い金利のメキシコペソを買っているため、2つの通貨の金利差(約10.9%)に基づいた利益が、ポジションを保有している日数分、毎日コツコツと受け取れる。
これがスワップポイントの基本的な仕組みだ。
スワップポイントは毎日もらえる?付与されるタイミングとルール
スワップポイントの大きな魅力は、ポジションを決済しない限り、「毎日」受け取れる点にある。
具体的には、FX会社が定めた特定の時間(多くの場合はニューヨーク市場が閉まる時間、日本時間でいうと午前6〜7時頃)をまたいでポジションを保有している(これを「ロールオーバー」と呼ぶ)と、スワップポイントが付与される。
ここで一つ、面白いルールがある。
それは「スワップ3倍デー」の存在だ。
FX市場は土日が休みのため、取引が行われず、スワップポイントも発生しない。
その土日分のスワップポイントが、多くのFX会社では週の中日である水曜日(日本時間では木曜日の早朝)に、3日分まとめて付与されるのだ。
この日には、通常の一日分の3倍のスワップポイントが口座に加算されるため、利益が積み重なる実感をより強く感じることができるだろう。
「買い」と「売り」で大違い!マイナススワップにも要注意
スワップポイントは、必ずしも「もらえる」だけのものではない。
これまでの説明とは逆に、「高金利の通貨を売り、低金利の通貨を買う」ポジションを保有した場合は、金利差を「支払う」必要が生じる。
これを「マイナススワップ」または「支払いスワップ」と呼ぶ。
例えば、「米ドル/円」の通貨ペアを「売り」で保有する場合を考えてみよう。
これは、比較的高金利である米ドルを売り、超低金利である日本円を買うことを意味するため、金利差分のスワップポイントを毎日支払うことになる。
スワップポイント投資を目的とする場合、意図せずこの支払いポジションを持ってしまうことは避けなければならない。
取引する際には、自分が「買い」と「売り」のどちらのポジションを取ろうとしているのか、そしてその結果スワップは受け取りになるのか支払いになるのかを、必ず確認する習慣が重要である。
FXスワップポイント投資で稼ぐメリットと注意すべきリスク


毎日利益が積み重なるという魅力的な側面を持つスワップポイント投資だが、他の投資と同様に、メリットだけでなくリスクも存在する。
ここでは、メリットとリスクの両面を公平に解説する。
FXスワップポイントのメリット
まずは、FXスワップのメリットから解説する。
メリット1:毎日コツコツ利益が積み上がる(不労所得)
最大のメリットは、何と言ってもポジションを保有しているだけで、労働を伴わない収益(不労所得)が毎日発生する点である。
為替レートの短期的な変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で資産形成を目指せるのは、日中仕事で忙しい会社員や、じっくりと資産を育てたい人にとって大きな魅力となる。
例えば、1メキシコペソあたりのスワップポイントが1日0.027円だったと仮定しよう。
10万通貨(約90万円相当 ※1ペソ=9円で計算)を保有した場合、1日あたりのスワップ収益は270円となる。
- 1ヶ月(30日): 270円 × 30日 = 8,100円
- 1年間(365日): 270円 × 365日 = 98,550円
このように、日々の金額は小さくとも、長期間保有することで複利効果も働き、着実に資産が育っていくことが期待できる。
なお、複利効果を得るには、スワップポイントを引き出さずに再投資し、元本に組み入れることが重要である。
メリット2:レバレッジを効かせて資金効率を高められる
FXの大きな特徴である「レバレッジ」を活用することで、自己資金の最大25倍(国内FX会社の場合)までの金額の取引が可能となる。
これにより、少ない資金でも大きなポジションを保有でき、得られるスワップポイントを増やすことができる。
例えば、100万円の資金でレバレッジをかけずに取引する場合と、レバレッジ3倍で取引する場合を比較すると、保有できるポジションの大きさが3倍になるため、得られるスワップポイントも単純計算で3倍になる。
手元の資金が少なくても、効率的にリターンを狙えるのはレバレッジのメリットと言える。
ただし、このレバレッジは、次に解説するリスクと表裏一体の関係にあることを決して忘れてはならない。
FXスワップポイントの注意すべきリスク
冒頭お伝えしたとおり、FXスワップポイントはメリットだけではない。
次に、注意すべきリスクを解説する。
【最重要】リスク1:為替レートの変動で元本割れの可能性
スワップポイント投資における最大かつ最重要のリスクが、為替レートの変動である。
いくら毎日スワップポイントを貯めても、それを上回る為替差損(円高による評価損)が発生すれば、トータルの収支はマイナスになり、元本割れを起こす。
例えば、1米ドル=150円の時に1万ドルを購入したとする。
その後、円高が進み1米ドル=140円になった場合、スワップポイントによる利益とは別に、為替差損として10円 × 1万ドル = 10万円の含み損を抱えることになる。
この含み損が、それまでに積み上げたスワップ収益を上回ってしまえば、投資としては失敗である。
このリスクを管理する鍵は、「低レバレッジでの長期運用」に尽きる。
- 低レバレッジ(1〜3倍)を徹底する
レバレッジを低く抑えることで、為替レートが多少不利な方向に動いても、強制ロスカット(後述)されるまでの猶予が大きくなる。 - 長期的な視点を持つ
為替レートは短期的には上下動を繰り返すが、長期的な視点で見れば一定のレンジに収まることも多い。短期的な含み損に慌てて売却(狼狽売り)せず、相場が回復するまで耐える戦略が有効となる。 - 分散投資を心がける
一つの通貨ペアに資金を集中させるのではなく、複数の通貨ペアに分散させることで、特定の国の経済状況悪化によるリスクを低減できる。
リスク2:強制ロスカットで大きな損失を被る危険性
FXには、投資家の損失が一定以上に拡大するのを防ぐため、「強制ロスカット」という仕組みがある。
これは、為替レートの急変動により口座の含み損が膨らみ、証拠金維持率(口座資産に占める必要証拠金の割合)がFX会社の定める水準を下回った場合に、保有しているポジションが強制的に決済される制度である。
ロスカットが執行されると、その時点での損失が確定し、時には預けた証拠金の大部分を失うことにもなりかねない。
スワップポイント投資は長期保有が前提のため、この強制ロスカットだけは絶対に避けなければならない。
- 証拠金維持率を常に高く保つ
目安として、常に300%以上の証拠金維持率をキープできるよう、レバレッジ管理と資金管理を徹底する。 - 口座には余裕を持った資金を入金しておく
ポジションを保有するために最低限必要な証拠金(必要証拠金)だけでなく、十分な余剰資金を口座に入れておくことで、相場の急変にも耐えられるようになる。
リスク3:金利変動によるスワップポイントの減少・逆転
現在受け取っている高いスワップポイントが、未来永劫続く保証はない。
スワップポイントの源泉は各国の政策金利であり、これは世界経済の状況や各国の金融政策によって変動するからだ。
例えば、高金利通貨国の景気が悪化して利下げが行われたり、逆に日本の金利が引き上げられたりすれば、2国間の金利差は縮小し、受け取れるスワップポイントは減少する。
最悪の場合、金利差が逆転し、受け取りだったスワップが支払いに転じる可能性すらある。
- 定期的な情報収集
各国の金融政策に関するニュースに気を配り、金利の動向をチェックする。 - ポートフォリオの見直し
金利環境の変化に応じて、保有する通貨ペアを見直す柔軟性も必要となる。
FXスワップポイント投資の始め方【簡単4ステップ】


自分に合ったFX会社が見つかったら、いよいよ口座を開設し、取引を始める段階だ。
手続きは難しく感じるかもしれないが、実際にはスマートフォン一つで、驚くほど簡単に完結する。
ここでは、口座開設から取引開始までの流れを4つのステップで解説する。
まずは、選んだFX会社の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンから申し込みフォームに進む。氏名、住所、年収、投資経験などの必要事項を入力していく。この際、手元に「マイナンバーカード」または「運転免許証などの本人確認書類 + マイナンバー通知カード」を準備しておくとスムーズだ。申し込みは通常5〜10分程度で完了する。
申し込みが完了すると、FX会社による審査が行われる。審査は通常、当日〜2営業日ほどで完了し、メールなどでログインIDとパスワードが通知される。無事に審査を通過したら、そのIDとパスワードを使って取引画面にログインし、取引の元手となる資金(証拠金)を入金する。多くのFX会社では、提携金融機関からの「クイック入金」サービスに対応しており、手数料無料で24時間リアルタイムに資金を反映させることができて非常に便利だ。
入金が完了したら、いよいよ取引開始だ。スマホアプリやPCの取引ツールから、自分が投資したい通貨ペア(例:メキシコペソ/円)を選択する。次に、「買い」か「売り」かを選び(スワップ狙いなので「買い」を選択)、取引したい数量(Lot数)を入力して、注文を確定する。操作は非常にシンプルで、直感的に行えるはずだ。
注文が約定し、ポジションを保有した状態になれば、あとは基本的に長期保有(ほったらかし)で良い。毎日、口座にスワップポイントが加算されていくのを確認しよう。ただし、完全に放置するのではなく、定期的に口座状況をチェックし、為替レートの変動によって証拠金維持率が極端に低下していないかなどを確認する習慣をつけることが、リスク管理の観点から重要である。
まとめ


本記事ではFXのスワップポイント投資について、仕組みやリスク、会社選びのポイントを解説した。
スワップポイント投資とは通貨間の金利差を利用して、値動きに一喜一憂せず利益を得る手法だ。
会社選びでは「スワップポイントの高さ」「スプレッドの狭さ」「会社の信頼性」が重要。
また、元本割れのリスクを避けるため、レバレッジを低く抑えて少額から始めよう。
まずは気軽に口座を開設して、資産形成への一歩を踏み出してほしい。
FAQ

