コンシューマからエンタープライズまで"MLC SSD"が席巻する日

――現状でエンタープライズなどのハイエンド向けにSLCベースのSSDが提供されているが、SanDiskとしてはMLC SSDでもこうした分野をカバーできると考えているのか?

Mehrotra氏 SSDの普及という面から考えると、まずノートPCやネットブックといった製品が出てくる。ここで重要になるのはコストだが、SanDiskはジョイントベンチャーで製造施設を持っているため、一番安いコストでSSDを作ることができる。こうしたフラッシュと自社設計のコントローラの組み合わせが、SanDiskにとっての強みだ。こうして作られたMLCベースのSSD製品は2009年後半より出荷され、当初のターゲットはノートPC市場となる。すでにエンタープライズ向けにSLCベースの製品を提供してはいるが、将来的にはエンタープライズにもこのMLC SSDを提供していきたいと考えている。

――エンタープライズの分野でもSLCではなくMLCが主流になるのか?

Mehrotra氏 もちろん将来的にもSLCが存在するだろうが、MLCの割合が増えていくだろう。SanDiskでは昨年2008年時点でネットブック向けに低容量のpSSDという製品をリリースしている。そして今年後半にはMLC SSDでノートPCをターゲットにする。このように少しずつMLC SSDの裾野を広げていく。だが2009年時点ではまだストレージ市場全体に占めるSSDの割合は少ないだろう。だが2010年以降になると価格や容量、そして機能面で改善が進み、割合が増えてくると考える。(調査会社の)Gartnerの予測では、2012年時点でノートPC全体の20%がSSDになるという。

――SSDとHDDの需要が逆転するタイミングはいつか?

Mehrotra氏 それを正確に予測することはできないが、価格しだいだと考えている。しかしSSDのアプリケーションは今後2-3年で急増していくと思われ、NANDフラッシュにとって大きな成長チャンスとなるだろう。